社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

今野晴貴『ブラック奨学金』(文春新書)

ブラック奨学金 (文春新書) 作者:今野 晴貴 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/06/20 メディア: 単行本 私も学生時代奨学金を借りた。大学時代と大学院時代、合わせて400万円くらい借りたと思う。就職して順調に返済し、今では残額が100万円ほど…

樺沢紫苑『神・時間術』(大和書房)

脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術 作者:樺沢 紫苑 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 2017/04/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 日本ではつとに労働生産性の低さが指摘され、働き方改革により労働効率アップ、プライベートの充実が叫ば…

夫婦でともに読む本

私たち夫婦は二人とも本が好きである。とはいってもお互いに本の趣味は違うから、読んでいる本はお互いに違う。それでも、二人とも共通で興味のある本というのもある。それが夫婦関係に関する本である。 今まで夫婦でともに読んだ夫婦関係の本としては、北杜…

大牟羅良『ものいわぬ農民』(岩波新書)

ものいわぬ農民 (岩波新書 青版) 作者:大牟羅 良 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2002/06/12 メディア: 新書 私は東北の農村で生まれ育った。大学時代に上京し、その後仙台で大学院生活を送り、今はまた生まれ育った県でサラリーマンをしている。私は都…

速水健朗『都市と消費とディズニーの夢』(角川oneテーマ21)

都市と消費とディズニーの夢 ショッピングモーライゼーションの時代 (oneテーマ21) 作者:速水 健朗 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2012/08/10 メディア: 新書 現代の都市は効率化の波にさらされている。至る所を最大限有効…

黒川伊保子『夫のトリセツ』(講談社+α新書)

夫のトリセツ (講談社+α新書) 作者:黒川 伊保子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/10/19 メディア: 新書 夫婦の間ではディスコミュニケーションがしばしば生じる。妻の側ではとにかくプロセスの細部を聞いて共感してほしいのに、夫の側は単刀直入に結論…

久米郁男『労働政治』(中公新書)

労働政治ー戦後政治のなかの労働組合 (中公新書 (1797)) 作者:久米 郁男 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2005/05/26 メディア: 新書 労働組合に加入している労働者は多いと思う。最近組織率が低下しているとはいえ、依然労働組合は労働者の待遇改善…

竹内悊『生きるための図書館』(岩波新書)

生きるための図書館: 一人ひとりのために (岩波新書) 作者:竹内 〓 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2019/06/21 メディア: 新書 私たちは図書館の存在を所与のものとして、本を無償で借りられる便利な場所ぐらいにしか思っていない。だが図書館にも歴史が…

竹内整一『日本人は「やさしい」のか』(ちくま新書)

日本人は「やさしい」のか―日本精神史入門 (ちくま新書) 作者:竹内 整一 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1997/07 メディア: 新書 「あの人は優しいから」「優しい人が好き」など、私たち日本人は頻繁に「やさしい」という言葉を使う。ところが、ではやさ…

斎藤環『ヤンキー化する日本』(角川oneテーマ21)

ヤンキー化する日本 (角川oneテーマ21) 作者:斎藤 環 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2014/03/06 メディア: 新書 斎藤環『ヤンキー化する日本』を読んで、日本文化がヤンキー文化をマジョリティとして形成されていることが分かった。私はヤンキ…

今野晴貴『ブラックバイト』(岩波新書)

ブラックバイト――学生が危ない (岩波新書) 作者:今野 晴貴 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/04/21 メディア: 新書 若者に過重な労働を強いるブラックバイトを告発した本。 ブラックバイトはワンオペの過重労働や長時間労働を学生に強い、学生の学業…

堤直規『公務員の「異動」の教科書』(学陽書房)

公務員の「異動」の教科書 作者:堤 直規 出版社/メーカー: 学陽書房 発売日: 2017/06/16 メディア: 単行本 公務員は定期的に異動があるので、ほかの業種よりも異動対策が必要なのかもしれない。本書は異動に際しての心構えを書いたもの。だが、中身について…

宮本・山口『日本の政治を変える』(岩波現代全書)

徹底討論 日本の政治を変える――これまでとこれから (岩波現代全書) 作者:宮本 太郎,山口 二郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2015/03/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) 「曲がり角を適切に曲がれなかった」日本政治を省みている本。戦後日本の政治…

私の図書館利用法

私は読書が趣味で、日々教養を深めるため読書をしているわけだが、そこで欠かせないのが図書館の存在である。私は読んでいる本の半分くらいを図書館から借りている。図書館は無償で本を借りることができ、娯楽代の節約に資する存在である。 私は学術系の本は…

野矢茂樹『そっとページをめくる』(岩波書店)

そっとページをめくる――読むことと考えること 作者: 野矢茂樹 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2019/07/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 本書において野矢はまことに簡潔明瞭な書評をしている。書評にはその人の文体が如…

正義の隠蔽作用

SNS上でよくみられる炎上現象を見ると、失言などを攻撃している人たちは大方自分を正義の側の人間とみなし、失言などをした人の欠点を突いているのである。一般的に言って正義に従って行動しているということは人々に安心をもたらす。正義に従っていれば自分…

鈴木透『性と暴力のアメリカ』(中公新書)

性と暴力のアメリカ―理念先行国家の矛盾と苦悶 (中公新書) 作者: 鈴木透 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2006/09 メディア: 新書 クリック: 19回 この商品を含むブログ (52件) を見る アメリカは植民地として作られたため、人々はそこでお互いのかか…

柏木恵『地方税のしくみ』(学陽書房)

図解よくわかる地方税のしくみ (図解よくわかるシリーズ) 作者: 柏木恵 出版社/メーカー: 学陽書房 発売日: 2014/02/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 地方税に関する法的知識や制度を図解で簡便にまとめたもの。 主に実務担当者が自分の仕事…

今野晴貴『ブラック企業』(文春新書)

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書) 作者: 今野晴貴 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2012/11/19 メディア: 新書 購入: 3人 クリック: 137回 この商品を含むブログ (70件) を見る ブラック企業告発の先駆けとなった本。 ブラック企業には様々…

友人の死から考えたこと

今年の4月、私の親友が死んだ。自殺なのか病気なのか詳しくは知らない。だが、彼の一生は不幸だったと私は思う。 大学生のとき、彼は恋人と楽しく学生生活を満喫していた。だが、理系の大学院に入って、そこでの過重負担のストレスで酒に逃げアルコール依存…

ジグムント・バウマン『コミュニティ』(ちくま学芸文庫)

コミュニティ (ちくま学芸文庫) 作者: ジグムントバウマン,Zygmunt Bauman,奥井智之 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2017/12/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る コミュニティについては論者によってさまざまな定義があるだろう。バウ…

速水健朗『フード左翼とフード右翼』(朝日新書)

フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人 (朝日新書) 作者: 速水健朗 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2013/12/13 メディア: 新書 この商品を含むブログ (36件) を見る 食の傾向から政治意識を読み解いてみた本。 食の傾向により、人々をフード…

前田健太郎『女性のいない民主主義』(岩波新書)

女性のいない民主主義 (岩波新書) 作者: 前田健太郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2019/09/21 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 政治学の通説をジェンダーの観点から読み直す画期的な本。 「男性は男らしく、女性は女らしくなければならない…

現場とは何か

よく「現場主義」という言葉が使われる。現場の状況を把握しておかなければ重要な意思決定はできないということである。では現場とは何であろうか。それは、物事が実際に起こっていて、その物事の詳細な情報が実感として手に入る場所である。何かサービスを…

中森弘樹『失踪の社会学』(慶應義塾大学出版会)

失踪の社会学:親密性と責任をめぐる試論 作者: 中森弘樹 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会 発売日: 2017/10/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 失踪の現場において問題となっている親密なるものへの責任について考察した学術論文。…

小室淑恵『働き方改革』(毎日新聞出版)

働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社 作者: 小室淑恵 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2018/03/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 昨今日本の喫緊の課題となっている働き方改革。働き方改革関連法案成立にも貢献した小…

なぜ本を読むのか

読書をする理由は多岐にわたる。まず筆頭に挙げられるのが読書の快楽である。本は知的遊戯の空間であり、本を読むことは知的遊戯の快楽に身を浸すことに他ならない。そこには思想があり感性があり認識があり物語があり、どれも人の脳髄に快楽をもたらすもの…

鈴木透『食の実験場 アメリカ』(中公新書)

食の実験場アメリカ-ファーストフード帝国のゆくえ (中公新書) 作者: 鈴木透 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2019/04/19 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 食の観点から見たアメリカ文化史。 アメリカでは、先住民の食文化と入植民の食文…

岡田温司『天使とは何か』(中公新書)

天使とは何か キューピッド、キリスト、悪魔 (中公新書) 作者: 岡田温司 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/03/24 メディア: 新書 この商品を含むブログ (4件) を見る 天使というものの文化表象的な多義性に着目した本。 天使は純キリスト教的な神…

中原淳『経営学習論』(東京大学出版会)

経営学習論: 人材育成を科学する 作者: 中原淳 出版社/メーカー: 東京大学出版会 発売日: 2012/09/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 11回 この商品を含むブログ (8件) を見る 企業・組織に関係する人々の学習を扱う経営学習論の概説書。 経営学習は…