社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

コラム

マイクロアグレッション

最近、少数者や特定の属性を持つ人に対する些細な、ときには意図せざる差別的言動をマイクロアグレッションと呼ぶようになった。例えば女性の業績に対して「女性なのにすごい」と言ったりすることの背後には、「女性は大したことがない」という偏見が隠れて…

人事の公正性の原則

我々社員は人事部の言うことはきちんと聞く。なぜなら人事は公正に運営されているという信頼があるからだ。社員の人事は常に公正に運営されなければならない。これが人事の公正性の原則だ。仮に人事が公正に運営されておらず、情実や政治によって不当にゆが…

論理は一つの正義にすぎない

論理的であることが過大視される場面が割と多いように思います。論理的であれば絶対正しい、論理は覆せない、そう思っている人もいるかもしれません。ですが、正義というものは論理だけではなくほかにもいろいろあります。効率性や平等性、感情や直観など。…

改善している

子どもが生まれてから、0歳、1歳のときはとにかく大変だった。核家族で育児をするのは本当にたいへんなので、各種サービスや給付金の制度を整えていただきたいと強く願っている。だが、2歳になるとたいへんさもだいぶ改善されたように思う。なぜかという…

子育て世代の苦心の休み方

小さな子供を育てていると、休日でもあまり休めないし、年休をとるのも子どものイベントだったり、妻が体調が悪くなったため自分が代わりに子守をするためだったり、溜まった買い物の処理だったりする。とにかく心底休んだ気がしない!!おまけに生計のため…

不祥事について

不祥事が起きると、不祥事を起こした当人が制裁を受けるだけでなく、その当人の所属する組織などのイメージが悪化する。不祥事が起きた場合、それが組織に所属する者の行いであるならば、組織は謝罪や懲戒などの対応に追われ、通常業務に大きな支障をきたす…

仕事と家庭

仕事と家庭を両立するのはいつの時代でも働く人々にとって難問である。特に、私は子どもが生まれてからそれを痛感している。子どもは現在2歳4カ月。今までとても手がかかったし、これからもまだまだ手がかかるだろう。問題はこの子供の面倒をだれが見るか…

超越の技法

組織で働いているといろんなことが気になるものだ。基本的に淡々と仕事をこなしていればいいのではあるが、例えば人間関係であったり、人事であったり、組織で働く人ならではの気になることがいろいろある。場合によってはある人に悪口を言われ続けてストレ…

頑張っては体調を崩し

Eテレの幼児番組にピタゴラスイッチというものがある。そこに出てくるキャラクターにねずみのスーというものがいる。このスーというねずみは働き者でみんなの役に立つのだが、定期的に熱を出して休んでしまう。このようなタイプの人は結構いないだろうか。 …

魂の断捨離

結構前から断捨離がはやっている。本当に大事なものだけ残してあとは捨てていきましょうという考えである。これはモノだけでなくて、自分の考え方についても当てはまるのではないか。要するに、必要最低限のこだわりだけ残して、余計なこだわりは捨てていこ…

疲労との付き合い方

疲れたら休むしかない。そうしないと病気になってしまう。体調を崩す前にきちんと休むのが一番賢い疲れのマネジメントだ。疲れを無視して無理に働いたりすると様々な体調の悪化をもたらす。それは高血圧だったり、憂鬱だったり、腹痛だったり、頭痛だったり…

あるサラリーマンの一日

朝は大体2時か3時くらいに目が覚める。それから、出勤のために家を出る5時半まで、本を読んだり、文章を書いたり、スマホで情報をチェックしたり、スマホゲームをしたり、音楽を聴いたり、朝食を食べたりして過ごす。ゴミの日にはゴミ出しをする。いつも…

朝4時に出勤した3日間のこと

とにかく時間がなかった。期限が迫った仕事が大量にあり、定時の勤務では間に合わず、普段から始発で6時には出勤していたが、それでも間に合いそうになかった。私は1歳児を育てているため、夕方定時になったら帰って子守をしなければならない。そうすると…

事務職とは何か

私はもう就職してから10年目になる。私は事務職に就いているが、では事務職とはいったいどういう仕事であろうか。一言で言うなら、事務職は黒子である。縁の下の力持ちである。表舞台で活躍する人を下から支える仕事である。決定する人、結論を下す人はほ…

働きすぎないために

日本は「過労死」という国際的な言葉を生み出してしまった仕事ファーストの時代を通過した。仕事第一主義、家庭や自らの健康は二の次、そのことによって、家事育児を負担する女性に過大な負担を課し、子どもの健全な発育に父親が関与せず、とりあえず仕事さ…

知の血管

私は様々な領域に関心を持っていて、日々読書を重ねたりウェブで情報を集めたりしている。また実際に自らが仕事や生活をしていくうえで経験することも多い。それらの行為は総じて、この世界に「知の血管」を張り巡らす行為である。 私は時間について多くを学…

なぜ公務員は保守的なのか

公務員には保守的な人が多い。これは私が地方公務員として勤務して得た実感である。旧例を重んじる。現状肯定的である。労働者としての権利を主張するよりも組織に従順であり、組織の利益を重んじる。 これには日本の公務員採用の仕方においてメリトクラシー…

声をかけるということ

家庭でも仕事でも、様々な場面で相手に声をかけることが大事だったりする。それは、あなたに配慮しています、あなたに関心があります、あなたを気にかけています、そういうことを示すシグナルだからだ。 例えば育児中の妻が元気がないとする。どうやら幼児食…

リベラル公務員

日本は現代多様な問題に直面している。何よりも少子化が止まらないし、高齢化も進展している。デジタル社会に対応していかなければならないし、男女格差も依然解消されない。そんな中移民が増えたり性的少数者が注目されたり社会は多様性を増している。電気…

ブラック部署に一年いて気づいたこと

今年度はかなりハードな一年だった。四人の係のうち二人が病休していて、しかもうちの係は部の主要な事業を抱えていた。人員不足による事務量の多さ、忙しさから、うちの部署は間違いなくブラックだった。 仕事は係長と係員である私の二人で行ったが、係長も…

子育て世代の憂鬱

結婚すること、子を授かることは確かに大きな幸福である。だが、結婚により自由を失い、子どもを育てることでさらに自由を失うこともまた確かである。結婚や子育てはポジティブ・ネガティブ両方の意義があり、その両方を味わうことが人生を豊かにするのであ…

超勤縮減

今や人口に膾炙したワークライフバランスという言葉。これは、仕事だけの人生を送るのではなく、仕事以外の生活も充実させる趣旨の施策である。結局、仕事の効率を上げるためには職員が健康で活力にあふれているのが一番である。残業は職員の健康や活力を奪…

私たちは疲れている

一定以上勉強している人なら、多くが「自律した個人」として生きようと思っているだろう。そして、「成熟した大人」として生きようと思っているだろう。だが、日々労働しながら生きていると、このよう自律や成熟に疲労を感じることがないだろうか。 何か職場…

人生充実しているマウンティング

社会人になって気づいたことがある。それは、一定以上の上の世代というのは「俺の方が苦労している」「俺の方が忙しい」というマウンティングをしてくるということだ。不幸自慢というのは子どもがやることであって、私などは二十歳くらいを境にそんな子供じ…

ルーズさに耐える能力

さて、昨今のご時世では世の中はどんどんルーズになっているように思える。みんながみんなギチギチに頑張ってサービス向上していこうという時代はもう終わった。郵便物の配達が遅くなったことに象徴されるように、いま、世の中はかつての高度経済成長期とは…

人不足は何が困るか

現在日本の様々な職場で人不足が深刻である。職場の人員不足により、職場に何が起きて、職員に何をもたらすか整理してみたい。 私が近ごろ配属された部署では、係長を含め4人定員だがそのうち2人病休という状態である。例えばそのような実際の経験をもとに…

勤務時間中のスマホ

かつては、勤務時間中に携帯電話をいじっていると職務専念義務に違反するとして懲戒処分を受ける可能性すらあった。だが、スマホの高機能化により、勤務時間中にスマホを操作することが必ずしも職務専念義務に違反することにはならなくなっているのが近年の…

育てることで育つ

娘が産まれてから間もなく300日が経とうとしている。私はこれまで育児に携わってきたわけだが、まさに娘を育てることにより私自身も育っていると思う。 まずは人生の豊饒化である。一つには自らの血を引いた人間が一人生まれ出たということにかかわる喜び…

明るく出る、明るくかける

今の部署で勤務していて学んだことは多岐にわたるが、その中で最もシンプルかつ最も重要なことは電話の出方である。今の部署では客から電話がかかってくることが結構多い。それも、良い内容よりは悪い内容の方が多い。クレームもしばしばある。だから、電話…

育児のつらさの正体

わが子は生後8か月でもうすぐ9カ月になる。私もまた父親として育児に携わったが、育児はなかなかつらいものである。抱っこしたり世話をしたりという介護労働的なつらさは確かにある。だがそれは労働としてのつらさである。睡眠不足になったり時間が自由に取…