読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

河野哲也『善悪は実在するか』(講談社選書メチエ)

善悪は実在するか アフォーダンスの倫理学 (講談社選書メチエ (399)) 作者: 河野哲也 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/10/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 2人 クリック: 55回 この商品を含むブログ (24件) を見る 環境は人間を含む動物に…

小原信『孤独と連帯』(中公新書)

孤独と連帯 (1972年) (中公新書) 作者: 小原信 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1972 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 孤独と連帯にまつわる哲学的エッセイ。『異邦人』『変身』『人間失格』『こころ』、そしてソクラテスの生き方を題材に、…

竹内靖雄『経済倫理学のすすめ』(中公新書)

経済倫理学のすすめ―「感情」から「勘定」へ (中公新書)作者: 竹内靖雄出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1989/12メディア: 新書購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る 本書は、あらゆる倫理問題を、稀少性をめぐる分配の問題という経…

児玉聡『功利と直観』(勁草書房)

功利と直観―英米倫理思想史入門作者: 児玉聡出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2010/11/26メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 61回この商品を含むブログ (17件) を見る 本書は、倫理学における対立を、功利主義と直観主義との対立という観点から詳述してい…

高橋哲哉『デリダ』

デリダ (現代思想の冒険者たちSelect)作者: 高橋哲哉出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/07/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 32回この商品を含むブログ (48件) を見る 法というものは暴力によって成立する。妥当性を最終的に根拠づ…

今井道夫『生命倫理学入門』

生命倫理学入門 (哲学教科書シリーズ)作者: 今井道夫出版社/メーカー: 産業図書発売日: 2005/02メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 21回この商品を含むブログ (6件) を見る 人が、受精して、胎児となり、生まれ、生き、病気にかかり、死ぬ、それぞれをあり…

パーソン論

胎児が「人」となる時期について、民法は全部露出説、刑法は一部露出説をとっている。「人」となれば、法文上「人」に与えられている利益が享受できるのだ。さらには、堕胎罪の保護法益は第一次的には胎児の生命である。刑法は胎児の生命まで保護しているの…

倫理的な懐疑

僕は最近、あらゆる価値を疑う状態になりました。快楽や成功や達成や栄光、すべて疑わしい。そうすると、生きていることが無意味に思えました。生きていることに価値がないのなら、生きていてもしょうがない。自殺という言葉も頭をよぎりました。 ですが、そ…

加藤尚武『現代倫理学入門』

現代倫理学入門 (講談社学術文庫)作者: 加藤尚武出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/02/07メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 41回この商品を含むブログ (62件) を見る 我々が当たり前だと思っていて特に意識的に定式化していない判断原理を、ひとつひとつ…

規則功利主義

功利主義とは、最大多数の最大幸福こそが善だとする立場である。だが、最大多数の最大幸福を、一人一人の行為ごとに、それぞれの文脈において判断するのは難しい。一人一人の人間が行動を起こそうとするときに、善悪を判断する基準はもっと明確に定まってい…

善悪の決め方

ある行為が善か悪か決める場合、その行為がどの観点からみても善であれば問題がないが、ある意味善だがある意味悪だ、という場合に、行為自体が善か悪か決めるのは難しい。その場合どのようにして行為の善悪を決めるか。(1)善悪を計量化するやり方。たと…

行為

黒田亘「行為と規範」(勁草書房)がおもしろい。まずは行為の定義から始まる。行為概念はphysis(自然)を写し取るものではなく、nomos(人間間の約束事)で定まっている。「行為」という言葉は自然に存在する事物を記述するのではなく、その意味は人間が「…

危害原則

大庭健「「責任」ってなに?」によると、危害原則とは、「他人に危害を加えない限り何をしようと自由であり、他人に利益をもたらす責任はない」という原則である。危害原則によれば、責任はもっぱら他人に危害を加えたことから生じる。危害原則の背後には、…

respons-ability,blam-ability

大庭健は「「責任」ってなに?」(講談社現代新書)において、責任とはrespons-abilityすなわち「呼応可能性」であり、呼びかけに対して適切な反応を返してくるという「関係」のことである、と書いている。つまり、責任は主観的なものというより間主観的な関…