社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

政治

橋本努『ロスト近代』(弘文堂)

ロスト近代 資本主義の新たな駆動因 作者:橋本 努 弘文堂 Amazon ポスト近代の後にくるロスト近代における現状と打開策を論じている本。ポスト近代においては、近代の超克が企図され、父権としての超越的規範が批判され規範そのものが失われていった。その過…

東浩紀『訂正する力』(朝日新書)

訂正する力 (朝日新書) 作者:東 浩紀 朝日新聞出版 Amazon 一人一人が訂正する力をもって地道に行動していけば社会は変わるという主張をしている本。訂正する力とは、過去との一貫性を主張しながら、実際には過去の解釈を変え、現実に合わせて変化する力のこ…

鈴木大介『ネット右翼になった父』(講談社現代新書)

ネット右翼になった父 (講談社現代新書) 作者:鈴木大介 講談社 Amazon 晩年ネット右翼に近い言動をとっていた父の実像に迫っていくルポルタージュ。著者の父親は、がんで亡くなる前の晩年、①嫌中嫌韓、②社会的弱者への無理解、③伝統的家族への回帰、性的多様…

ブレイディみかこ『ヨーロッパ・コーリング・リターンズ』(岩波現代文庫)

ヨーロッパ・コーリング・リターンズ: 社会・政治時評クロニクル 2014-2021 (岩波現代文庫 社会 330) 作者:ブレイディ みかこ 岩波書店 Amazon 本書は、著者がYahooなどの各媒体に発表した短い時評を年代別に編んだものである。扱っているのは主にイギリスの…

ウンベルト・エーコ『永遠のファシズム』(岩波現代文庫)

永遠のファシズム (岩波現代文庫) 作者:ウンベルト・エーコ 発売日: 2018/08/18 メディア: 文庫 作家であるウンベルト・エーコの政治に関する論考を収めた本である。戦争について、その情報技術社会における位置づけや知識人の責任、ネットワーク的生起など…

渡辺靖『白人ナショナリズム』(中公新書)

白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」 (中公新書) 作者:渡辺靖 発売日: 2020/05/29 メディア: Kindle版 黒人への暴力行為などで最近注目を浴びている白人ナショナリズム。本書はその実態について概観できる優れた本である。白人ナショナリズ…

佐々木毅『アメリカの保守とリベラル』(講談社学術文庫)

アメリカの保守とリベラル (講談社学術文庫) 作者:佐々木 毅 メディア: 文庫 本書はアメリカの保守とリベラルの対立、またその対立の乗り越えについて論じた基本的文献である。小さな政府を志向し、カトリック道徳に忠実な保守と、大きな政府を志向し、弱者…

内田健三『戦後日本の保守政治』(岩波新書)

戦後日本の保守政治―政治記者の証言 (1969年) (岩波新書) 作者:内田 健三 発売日: 1969/12/20 メディア: 新書 政治記者が書いた本書は、学者が書いたと思うほど整然として無駄がなく情報量が多い。戦後日本の首相の系列を中心に据えて、彼らの足跡を追ってい…

宮本・山口『日本の政治を変える』(岩波現代全書)

徹底討論 日本の政治を変える――これまでとこれから (岩波現代全書) 作者:宮本 太郎,山口 二郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2015/03/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) 「曲がり角を適切に曲がれなかった」日本政治を省みている本。戦後日本の政治…

速水健朗『フード左翼とフード右翼』(朝日新書)

フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人 (朝日新書) 作者: 速水健朗 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2013/12/13 メディア: 新書 この商品を含むブログ (36件) を見る 食の傾向から政治意識を読み解いてみた本。 食の傾向により、人々をフード…