社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

公海について

 公海に対して国家の持つ権利について気になっている。国家間の共有だとすると、持分があることになり、持分の譲渡が可能になったりするが、公海についてそれぞれの国家が処分可能な持分を持っているわけではない。

 持分を認めないんなら総有かということになるが、総有だと、公海が帰属する団体というものを観念しなければならなくなり、各国家は使用収益の権能を有するが、処分の権能はその世界団体みたいなものに帰属することになる。だが、公海はどこにも処分権を帰属させていないのであり、そもそも世界団体なる団体は存在していない。

 公海については、各国が使用収益の権限を有するが、その権限は処分することができない。この点で、公海は公物に似ている。だが、公物の処分権限は国家に帰属するが、公海の処分権限は誰にも帰属しない。国内の不動産については、無主地が国庫に帰属するから必ず処分権限を有する者が存在するが、公海については誰もそれを処分することができない。この点に公海の特殊性がある気がする。

広告を非表示にする