社会科学読書ブログ

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 私の実家は貧しい専業農家で、この学校に入るときも、生活費はすべて奨学金でまかなうという条件で許してもらった。だが、実際は奨学金だけではたりず、お金が尽きたときには、実家に電話をかけて、何らかの口実をつけて送金してもらう。この電話をかけるときがとても気が重い。まず口実をいろいろ考える。それでも、なかなか電話をかける勇気が出ないことがある。それで何とか電話をかけると、母は簡単にOKしてくれるのだが、電話を切ったあとに、やりきれない気持ちになる。自分はダメなやつだ、いい歳して稼ぎもなく、かといっていい成績をとるわけでもなく、などと思ってしまう。自分が他人の犠牲の上で勉強させてもらっているということを、肝に銘じておかなければならない。