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社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

 契約が原始的に不能でも有効とすべきと潮見佳男は主張している。契約を無効とした場合、調査義務の不履行による損害賠償はできるが、信頼利益しか請求できないとのこと。(契約本体は無効でも、契約に付随する義務は発生するようだ。)たしかに、目的物が滅失していたことを知らなければ、調査義務の不履行から通常生ずべき損害として信頼利益程度が妥当であろう。だが、目的物の滅失が予見可能、あるいは債務者が故意に目的物を滅失した場合は、特別の損害として履行利益まで賠償させてもよいのではないか。つまり、原始的不能で契約が無効だと解しても、契約締結上の付随義務の不履行を理由に、履行利益まで賠償を請求することも可能な気がする。契約の有効性と、損害賠償の範囲に必然的なつながりはあるのだろうか。信頼利益・履行利益と、通常損害・特別損害の関係がいまいちよく分かっていない。