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実学

 しかし、法律学を選んだのは正解だったと思う。大学時代の専攻だった科学哲学をあのまま続けていたら、お先真っ暗だったろう。だいたい科学哲学は研究職のポストが少ない上、それを極めたところで資格が取れたり一般企業に就職できたりするわけではないのだ。

 私は、実家が貧しいので、law schoolには何とか行かせてもらったのだが、それは、law schoolが職業につながる大学院だったからだ。しほうしけんに受かれば法曹になれるし、もし三振してもその他のさむらい業に余裕で就ける。研究者としての道も開かれている。研究者志望の学生が減ったことから、多くのlaw schoolで将来理論教育をする教官が足りなくなることが危惧されているらしいから、大学を選ばなければ研究者にはなれる。助教の制度があるのも助かる。企業の法務部に就職することも可能だ。

 法律学は社会が必要としている学問なのだ。それゆえそれを極めることが社会で暮らしていけることに直結する。科学哲学とは大違いだ。