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故意と違法性の意識

 (1)故意と違法性の意識の関係と、(2)故意だけで処罰できるかそれとも違法性の意識がないと処罰できないか、とは多少関係がある。故意と違法性の意識を無関係だと考える立場と、故意によって違法性の意識が擬制されるとする立場がある。故意と違法性の意識を別立てにすれば、故意だけで処罰できるか違法性の意識まで要求するかという問題が生じる。だが、故意によって違法性の意識が擬制されるのならば、故意さえ認められれば処罰できてしまうのであり、違法性の意識を要求するかどうかは問題とならない。