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規則功利主義

 功利主義とは、最大多数の最大幸福こそが善だとする立場である。だが、最大多数の最大幸福を、一人一人の行為ごとに、それぞれの文脈において判断するのは難しい。一人一人の人間が行動を起こそうとするときに、善悪を判断する基準はもっと明確に定まっていなければならない。

 そこで登場するのが規則功利主義だ。一般人が行為するときには、ただ規則に従っていればいい。規則に従っていればとりあえず善である。そして、その規則が本当に万人の幸福を実現しているかを専門家に判断させて、最終的な善悪を決めればいい。「規則は効用に、行為は規則に従わせよう」という立場である。

 法律学はたぶんこの規則功利主義をとっている。ここでの「規則」とは法である。法が社会全体の効用を最大限にしているかどうかを、立法者や学者が判断し、一般人はただ法に従っていればよい。法律学の役割の一つは、社会全体の効用を最大化するように法を解釈し、あるいは立法論を展開することであろう。

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