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社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

国は何をやっているのか

 国家は一体何をしているのか。おそらく、(1)事務処理、(2)意思形成、(3)意思表示、これらの連鎖をしているのである。それぞれのものについて、それを司る機関の自由にゆだねられているか、それとも自由が制限されているか、の区別ができる。そして、国民に対して効力を有するのは、権限ある機関による意思表示であろう。

 例えば国会議員が法案の資料を読む行為は事務処理である。これは誰が読んでも同じだとも思えるが、人によって読み方が異なるという意味で自由の入り込む余地はある。そして国会議員がその法案に賛成するか反対するか決めるのは意思形成である。これはだれでも自由にできると思われるかもしれないが、議員の所属する党のイデオロギーによって意思形成の自由までもが制限されているかもしれない。そして国会議員が票を投ずるのは意思表示である。これは自由な意思形成に基づいて行われれば自由だが、仮に意思形成は自由であっても、党の利益を考えて真の意思と反する意思表示をするかもしれない。

 同じことは司法や行政についても言える。それぞれの権限を持った機関が組織化され、事務処理・意思形成・意思表示の連鎖的ネットワークを介して最終的に国民に働きかける。結局国家はそういうことをしているのではないだろうか。