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勉強について

 勉強とは一種のコミュニケーションだと思う。基本書を読んだり問題集を読んだりするとき、それらを書いた人と私はコミュニケートしているのである。だがこのコミュニケーションには特徴があって、それは、(1)一方的であること、(2)受け手の方が積極的であること、(3)知識の非対称性があること、である。

 まず、基本書を書いた学者に私は質問したり反論したりすることができない。その意味で勉強は一方的である。次に、本来コミュニケーションは送り手の方が積極的に展開するものであるが、勉強においては、あたかも熱心に講演を聴く人間のように、受け手の方が積極的にコミュニケーションを選択していく。そして、勉強においては書き手の方が明らかに知識レベルが高い。その意味で非対称性がある。

 そして、勉強とは歴史を形成するためのものでもある。基本書を書くことで学者は歴史に部分的に参与する。それを読んで、その知識を習得することにより、知識の伝達が起きる。私は将来研究したり実務についたりすることで、論文を書いたり事件を解決することにより歴史を形成する。人間の文化的な歴史が脈々と連続するためには、勉強が欠かせない。人々の勉強によって、人間の歴史はその文化性を維持することができるのである。

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