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社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

勉強について

 本を読むことは思考の展開する領域を広げることだと思う。例えば日本の統治機構がどうなっているのかを知りたければ、憲法の基本書でも読めばいい。そうすれば、日本の統治の在り方についての考えの幅が広がるはずである。このようにして、自分の思考の限界をより遠くへと押しやっていくことにより自分の思考を豊かにしていく勉強は、「自分のための勉強」だと言える。

 だが、受験勉強は自分のための勉強というとらえ方では捕らえ尽くせない。そもそも勉強する人は刑事裁判制度になどまるっきり興味がないかもしれないし、刑事裁判制度について思考を深めたいとも思っていないかもしれない。そんな人は別に自分のために刑事訴訟法を勉強するのではない。だがそんな人でも刑事訴訟法は勉強しなければならないのである。この事態をどう説明するか。そこで出てくるのが「他人のための勉強」という考え方である。

 社会と言うものは個人に一定の役割を要求する。その役割が一定の専門的知識を要求するものであるならば、個人はその役割を果たすためにはその知識を習得しなければならない。そこで、その人は、社会のため、他人のために、自分の興味関心を犠牲にしても、その役割の要求する勉強をしなければならない。

 学問としての法律学から受験勉強としての法律学へ。その転換において、自分のための勉強から他人のための勉強へ、という転換も同時に起こる。

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