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井上マー

 井上マーという芸人がいて、尾崎豊に扮してネタを披露するのですが、尾崎が言いそうなセリフをシチュエーションを変えることで面白おかしくするのです。例えば、カチカチのアイスの脇で木のヘラが叫んでいる、「済まないけど俺なんかじゃお前をすくえない」。掬うと救うをかけているのですね。だけれど、その尾崎の言いそうな言葉というのが、それ単体で聞くとすごく深刻で涙ぐんでしまう言葉ばかりなのです。確かに僕はあなたを救えない。いくらあなたが苦しんでいようと。そもそも自分のことすらろくに救えていないのですから。

 他にも、レンジで温められそうになったコンビニ弁当に入れられた漬物が叫んでいる、「俺には温もりなど要らない」、とかありますね。確かに僕も一時期そう考えていました。自分に温もりなど要らないのだと。僕に触るな、僕はけがれている、ダメなやつなのだ、ほっといてくれ、そう思うときもありました。

 青春って暗いものだと思います。いろんな暗い考えを通過してきました。もちろん楽しいことも結構ありましたよ。でも、青春の時期に人間は社会や人生の矛盾に気づいてしまう。そこで暗く格闘することが必要なのだと思います。それを乗り越えてやっと大人になれるんだと思います。

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