社会科学読書ブログ

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研究室訪問

 研究室訪問してきました。以下話した内容。

・あることが善いことか悪いことかについては、人間がそれを直観でわかるとする直観主義と、結果が発生して初めて善悪が決まるとする功利主義があるが、先生は直観主義が正しいと考えている。だから当然結果無価値論ではなく行為無価値論に立つ。結果無価値論は、法益を保護するが、逆に法益さえ侵害しなければ何をしても良いという考えに結びつき好ましくない。

・先生の上の世代は、弱者を発見し、弱者の声に耳を傾けることを主張した。だがそれは同時に、エリートがエリートとしての責任と誇りを失い、エリートまでが弱者化するという好ましくない事態を生じさせた。先生の世代がやるべきことは、弱者を弱者として認めつつ、かつエリートはその誇りと責任を高く維持したままやるべきことをこなすという社会を作ることだ。それに対して私は、では私たちの世代は何をすればよいのか、と聞いたところ、先生たちはどうせ挫折するだろうからそこを救っていけばいい、と言われた。

・現代は、エリートが弱者化し、かつ弱者も弱者としての地位に甘んじて特に声を上げるということをしないという、総体的に活気を失った時代である。このような時代においては、不平等は不平等として認めつつ、いかにエリートも弱者もそれぞれの責任を果たし権利を主張していくかを探ることが大事だ。とにかく、社会全体が活性化するように持っていくことを先生は目指している。

 1時間強の対話でしたが、非常に楽しく刺激的でした! やはり頭の良い人と話すのは楽しすぎ。元気をたくさんもらって来ました! 明日からも頑張ります。