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松戸清裕『ソ連史』(ちくま新書)

 

ソ連史 (ちくま新書)

ソ連史 (ちくま新書)

 

  本書はロシア革命から連邦解体にいたるまでのソヴィエト連邦の通史である。主な登場人物は、スターリン、フルシチョフゴルバチョフスターリンの独裁による緊張した政治から、フルシチョフによる緊張緩和と経済発展、ゴルバチョフによるさらなる規制緩和と立て直し、という具合にソ連は動いていく。

 ソヴィエト連邦は巨大な歴史的実験だった。社会主義国家の成立と変遷、崩壊は、国家や社会について考える際の貴重な材料となるはずである。そこには経済の問題だけでなく、外交の問題や民族の問題や、権力や民主主義の問題など幅広い問題系が提示されている。社会科学の多くの問題を考える上での貴重なサンプルとして、ソ連は深く理解されるべきであろう。