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社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

三井秀樹『美の構成学』(中公新書)

 

美の構成学―バウハウスからフラクタルまで (中公新書)

美の構成学―バウハウスからフラクタルまで (中公新書)

 

  デザインやファッションの基礎となる構成学についての簡単な入門書。誰にでもお勧めできる良書である。

 産業革命によって工業製品が人工的に大量生産されるようになると、デザインの需要が高まった。造形の数理性やバランス・統一感、色調の調整などを意識的に学化する必要が生じた。それに取り組んだのがバウハウスである。

 バウハウスは、従来のように、芸術を天才の特殊な産物ととらえるのではなく、造形能力は教育や訓練で育てられるとの信念に基づいてデザイン教育を行った。また、アルミニウム・ガラス・プラスチックなど、新しい素材も積極的に取り入れ、技術と芸術の総合を目指し、最終的にはそれが建築において実現されると考えた。

 構成は、形体や色彩という造形に普遍的に存在する造形要素について掘り下げ、色彩感覚や造形に対する鋭い感性を養っていく学問であり、すべての芸術のみならずファッションの基本原理でもある。

 本書では、構成の具体的なプロポーションなどについても詳しく言及されており、構成の基本的な知識も習得できるようになっている。また、構成を生活で生かす方法としてファッションを位置づけ、その具体的な指南も行っている。デザインについて学ぶ基礎中の基礎を提供してくれる本だ。