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出世拒否

 私は地方の比較的大きな企業に勤めている。比較的地位は安定しているが、組織の体質が古く、今までひどく苦労してきた。
 入社一年目は良い上司と同僚に恵まれ、また結果を残すことができて順調だった。ところが二年目は打って変わって超ブラックな職場になった。まず与えられる仕事が過多で、いくら残業しても終わらず、休日出勤は当たり前、それでも仕事は終わらずに毎日のように上司に怒鳴られた。私は入社二年目で初めて直面する仕事が多く、にもかかわらずサポート体制はまったくなっていなかった。上司も先輩も仕事を教えることができず、私は仕事のやり方もわからないままただ怒鳴られ続け、精神的に追い詰められた。そして、ある日上司から30分間にわたる罵倒を受けて抑うつ状態になり、休職・配転となった。
 その後復職となったわけだが、問題を起こした部署と上司はろくに責任も取らず、あたかも私に重大な問題があったかのような整理がなされた。結局問題が起きたら若手に責任が転嫁されるのである。管理職は責任逃れのために、私について様々な悪い評価をでっち上げた。それゆえ、受け入れ先の課で私は非常に働きづらい思いをした。課長からして私を問題職員扱い、なんとかいじめてやめさせてやろうとしてきた。明らかなパワハラ事案だが、問題はきれいに隠蔽され、責任は私に転嫁された。「俺だったらあいつを面接で落とす」「採用を取り消す」「精神的に弱い」など様々なことを言われた。
 私はかろうじて二年目をやり過ごし、三年目に支店に出た。支店に出てようやく解放されたかと思ったら、そこの上司がまた性格に難ありで、私の仕事の不慣れなところに散々付け込んできた。だが三年目はなんとか鬱にならずに辛うじてやり過ごし、四年目にその上司のことをすべてまとめて上に告げ口した。それからその上司はおとなしくなった。四年間で二回パワハラの被害に遭ったことになる。
 わたしは、弊社の平均に比べて学歴が高い。もともと学者肌の人間で組織をうまく渡り歩くことには向いていないのかもしれない。それでも、このような経緯があって、組織の中の人間がいかに醜いかということを嫌というほど知らされた。自分に傷がつかないため、つまり保身のために他人に責任転嫁をしたり、高学歴に嫉妬して足を引っ張って来たり、そうやって他人の評価を低める反面自分の評価を高めようとする。そこまでして出世にこだわる必要などあるだろうか。私は端的に組織の人間たちの出世欲の被害者である。だったら自分は絶対出世などしてやるものか。責任はちゃんと引き受ける。他人の足を引っ張らない。困っている人がいたら助ける。そういう当たり前のことをしていきたい。出世拒否してよろしいか。