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相馬伸一『ヨハネス・コメニウス』(講談社選書メチエ)

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 チェコの偉大な思想家であるコメニウスの入門書である。文学者でもあり、教育学者でもあり、政治活動家でもあった近代初期の思想家の全貌が描かれている。

 だが、彼の思想内容は今となっては時代遅れな面も多く、もっぱら歴史上の人物として捉えられていて、アクチュアルな思想家ではない。思想も体系性や論理性に乏しく、その分広汎であり、浅く広くの感が否めない。ぜひとも現代の観点からの再解釈が待たれる思想家である。