昨今話題になっている多様な人材を用いた経営の在り方についての入門書。
企業が競争力を再構築するうえで効果を上げるダイバーシティ・マネジメントは、以下の三つである。
①同じ能力を持つ人材(同一財)であれば、同一労働同一賃金に基づく賃金の抑制と生産性の向上。
②多様な能力を持つ人材(多数財)であれば、采配を通し、人材の適材適所による「静的成長」
③多様な能力を持つ人材(多数財)であれば、采配を通し、創造的破壊とイノベーションを促しての「動的成長」
これらを実現するための経営の質を高める必要がある。
本書は昨今話題になっている、男女差別や人種差別による待遇格差に対する一つの理論的回答になっている。日本における女性差別も丁寧に分析していて、理由のない女性差別は企業の効率を下げるとしている。とりあえず、世界的に見て労働効率が悪いと言われている日本であるから、理由のない男女差別をなくすことで、労働効率は少しでも改善するのではないだろうか。