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妻帯するということ

 私は最近結婚したのだが、妻帯するということはかなり人生の効率を上げるように思う。
 まず、結婚に至るまでに相手と親密な関係にならなければいけないが、そこでは高度なコミュニケーションスキルが要求される。初めからコミュニケーションスキルを持っていなくても、愛する人とやり取りするには高度な心の読み合いや細やかな気遣いなど、かなり機微に富んだコミュニケーションが取れるように人はスキルアップしていく。
 また、恋愛関係というものは相手から自分の存在を肯定されるという関係であるが、これは自分の自信や自己肯定感を強める。人は些細なことで傷つかなくなるし、確固とした自律した自我が形成される。結局自己肯定には他者からの肯定が不可欠なわけであり、他者からの全面的な肯定である愛される経験というのは人間を非常に健康的にする。
 そして、妻帯して共に暮らすと、争いを少なくしていれば家庭が自分の居場所となる。仕事で多少ストレスがあったとしても妻と会話していればそのうち薄れてしまう。妻と雑談しているだけで負の感情など抱いている暇がなくなる。妻帯するということは人間の負の感情や攻撃性を減少させるのである。
 また、同居は経済的に効率が良い。それまで一人暮らししていた二人の人間が一緒の家で暮らすということは、生活費の節約になるし、お互いに助言し合うことで知恵を出し合い生活の効率化が期待できる。妻帯とは大きなシナジー効果を生み出すのであり、それによる互いの人間的成長は大きなものである。
 以上、妻帯するということはコミュニケーションスキルを高め、精神衛生を増進し、攻撃性など負のモメントを低減し、生活におけるシナジー効果を生み出す。お互いの人生の効率を上げることだと思う。