サイコパスについての入門書。
サイコパスは連続殺人などの重大犯罪で世間を震撼させてきた。だが、サイコパスにもさまざまな種類があり、皆が犯罪者になるわけではない。
サイコパスは人口の約1%ほど存在していて、それは脳の遺伝的な障害に生育環境などが合わさって発現する。サイコパスは表面的な魅力を備えているが、他者操作的で虚言壁が強い。また性的にも放縦で自己中心的・傲慢である。これらは良心や共感能力、不安の欠如などに由来し、しばしば反社会的な行動を伴う。 サイコパスには社会的に成功する人も多く、また症状が目立たない人も多い。主に認知行動療法による治療も可能である。
本書は最近メディアでもよく耳にするようになったサイコパスについての入門書であり、一通りサイコパスというものの実像が分かる。サイコパスは一つの治療可能な疾患であり、十分に科学的に分析されている。猟奇殺人犯などの悪いイメージがつきものではあるが、偏見を打ち破る知識が身につく本である。