社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

中原淳『職場学習論』(東京大学出版会)

 

職場学習論―仕事の学びを科学する

職場学習論―仕事の学びを科学する

 

  職場での学習について科学的に分析した本。

 能力向上に対する同僚・同期からの支援は少なくない。仕事についての気づきをもたらす内省支援や仕事のスキルアップをもたらす業務支援において横のつながりは大事である。

 また、成功経験談も失敗経験談も業務能力の向上に貢献しており、組織レベルの信頼がその効果を押し上げている。

 本書は、職場においてどのアクターがどのような点でどのような能力向上をもたらしているか定量的・科学的に分析した経営学のお手本のような本である。水平的なつながりが重要であること、信頼関係が重要であることなどが科学的に実証されているので、自らも心掛けていきたい。