社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

責任について

責任は、「損害を与えないこともできたにもかかわらず、損害を与えた」ことから生じると考えられる。つまり他行為可能性が根拠になっている。「損害を与えないことができなかった」場合に責任を追及しても、それ以降行為者が損害を回避しようとする動機を与…

権利自白

原告が物権的請求権を訴訟上行使するための請求原因として、原告が当該不動産について所有権を有していることがあげられたりする。だが所有権を有するということは事実ではなく法的評価なので、請求原因としては本来ふさわしくないが、被告が原告の所有権を…

理事の代表権の制限

一般法人法77条 4項 代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する。 5項 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 通常の代理の場合は、取引の相手方はその者が本当に代理権を有…

がんばろう

司法試験の合格率がどんどん下がっている。頑張ろう。その日にできることを少しずつ確実にこなしていこう。焦る必要はないし、緊迫する必要もないが、適度に気を引き締めていこうと思う。毎日着実に前進すること。その実感はある。

人の権利能力って無制限なんだろうか。法人はultra viles理論により目的の範囲内に権利能力が限定されるとするのが一般的なようだ(民34)。同様に、人の権利能力も一定の制限が付されるのではないか。例えば、殺し屋が殺人債務を負うことは可能か。殺人債…

権利

権利には私権と公権がある。私人との関係における権利と、国家との関係における権利である。 そして、権利には(1)積極的側面と(2)消極的側面がある。権利を行使できるという積極的側面と、権利の侵害を防ぐという消極的側面である。所有権だったら、使…

楽しい

最近法律を学ぶのが楽しいです。昔は「法律なんて全然つまんねーじゃねーか、ケッ」とか思っていたのですが、それとはえらい変わりようです。やはり、一年間正規の教育機関で法律を浴びながら過ごしたことによって基礎的な部分が形成され、自分で考える余裕…

法律上保護された利益

取消訴訟の原告適格についての法律上保護された利益説が、いまだに納得がいかない。処分の根拠法が問題となっている利益を具体的に保護しているかどうかによって原告適格を画するのは、基準が明確ではあるが、その基準に必然性があるとは思えない。宇賀克也…

最近なんか情緒不安定だ。五月病? 俺もクリスチャンになろうかな。人間が信じられない奴は神でも信じないと生きていけないのかもしれない。

利益による分類

それぞれの法律には達成すべき目的・利益というものがあると思われる。そもそも立法することに利益がなければ立法はしないはずである。どのような利益を実現すべく作られたのかは、目的規定に明らかにされている場合もあるが、そうでない場合もある。例えば…

刑事訴訟における抗弁ってなんだろうって考えてて、違法性阻却事由とか責任阻却事由なんじゃないかと思い至った。つまり、訴因と両立し、かつ訴因の刑罰権発動という効果を打ち消すんじゃないだろかと。だけど、Wikipediaで調べてみたら、違法性阻却事由も責…

respons-ability,blam-ability

大庭健は「「責任」ってなに?」(講談社現代新書)において、責任とはrespons-abilityすなわち「呼応可能性」であり、呼びかけに対して適切な反応を返してくるという「関係」のことである、と書いている。つまり、責任は主観的なものというより間主観的な関…

疑問

小林憲太郎が「因果関係と客観的帰属」(弘文堂)の冒頭で、条件関係公式と結果回避可能性の話は同じことだと言ってるのだが、まともな説明がなされているわけでもなくはなはだ不親切である。なので自分で考えてみる。 まず、条件関係は構成要件の段階の話で…