社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

無為

今日は本当に何もしなかった。せいぜい音楽を聴いたり動画を見たりする程度だ。いつも「休む」といいつつ、いろんな本を読みだしたりしてしっかり休んでいないので、ここまで休んだのは久しぶりだ。なんというか、とても空っぽである。空虚ではないが、かと…

最近

今日は勉強会だった。友人に、「君は吸収が早い。去年と全然違うね。追いつかれてきて焦ってるよ。」と言われた。まあ、基本書を大分読んだからね。それなりに進歩してないと困るわけで。 最近軽い倦怠感を感じる。勉強の意欲が少し減退してきている。いわゆ…

長尾龍一『法哲学入門』

法哲学入門 (講談社学術文庫)作者: 長尾龍一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/01/11メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (16件) を見る 法律学と哲学の両方とも知らない人は読むべきかもしれないが、両方知っている人にとっては…

目的犯について

目的的行為論、つまり、構成要件的結果発生という目的を志向して因果経過を支配するのが刑法の「行為」だとする立場からは、あらゆる故意犯は目的犯と同質である。つまり、例えば故意殺人罪は殺人の目的を有する者を処罰する犯罪であり、主観的構成要件要素…

事例問題

新試験を解いていて思ったのは、複雑な事例問題は、一行問題や簡単な事例問題、つまり旧試験の問題のようなものの寄せ集めでできているということだ。だから、まずは旧試験の問題のようなものに正確に答えられることが前提となっている。その知識を得た上で…

保護法益論

世界には因果の網の目が張り巡らされていて、一つの行為をすればそこから因果的に様々な出来事が生じてくる。そのさまざまな出来事のうち、あるものはある人の利益であるかもしれないし、あるものは別の人の不利益かもしれない。行為から因果的に生じてくる…

なんか風邪っぽい。鼻水やくしゃみが出る。風邪なんかひいたのは久しぶりだ。だからやる気が出なかったのか。調子が悪い。早く治さねば。

疲れ

今日は、朝教科書を開いたら拒絶感があった。おととい休んだばっかりで、まだ1日しか勉強していないのに。こんなことは初めてだった。とりあえずコーヒーを飲んだら少し勉強ができた。だがどうも眠くなって、8時から10時まで布団で寝た。今は、今日一日…

債権譲渡する債務

将来債権も現在の時点で譲渡可能だとされる。だが、存在しないものを譲渡するというのはそもそも不可能ではないか。だから、将来債権の現在譲渡の実質は、債権の発生を停止条件とする債権譲渡契約なのではないだろうか。そうすれば、存在しないものの譲渡と…

ベルクソンと危険・結果無価値

ベルクソンは、世界は常に新しく創造されていくと考えた。だから、可能性というものは事前的には存在しない。結果が発生して初めて回顧的にあの時可能性があったと判断されるに過ぎない。つまり、実在性が可能性に論理的に先行するのである。世界が常に更新…

進捗状況

民訴の基本書・択一を一周した。民法の債権総論がまだ少し残っていたのでそこから再開した。久しぶりの民法ではじめ入り込みづらかったが、少し読んだら慣れた。重点講義はまだ残っていて、勉強会用に読んでいる。刑法の事例演習の本を注文した。川端先生の…

最近

最近、いろいろアイディアが湧いてきてブログのネタに事欠かない。私はこの場所でだいぶ間違ったこととか言ってきたと思うが、特に恥ずかしいとも思わない。自分が特に偉い地位についていないからだと思う。肩書きがついてきたりすると、下手なことが言えな…

義務の発生根拠

義務が発生するためには、(1)ある人が特定の行為をとることが期待可能か、(2)その行為が目標とする利益を因果的に強く惹起しうるか、という二つの基準をクリアーしなければならないような気がする。 例えば、子供が川でおぼれそうになっているときに、…

危険犯について

危険犯を分類するに際して、「そこで問題となっている法益が特定か不特定か」、という基準を立てることができると思う。特定の法益の侵害の危険が問題となるのが、例えば遺棄罪である。遺棄された人間は特定されていて、その人の法益が危険にさらされている…

馬場靖雄『ルーマンの社会理論』

ルーマンの社会理論作者: 馬場靖雄出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2001/06メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 25回この商品を含むブログ (51件) を見る ルーマンはシステムと環境の区別から出発する。システムとは特定の区別(コード)に即して組織化さ…

他学部卒

「他学部卒」という私の属性は、私にとってコンプレックスであると同時にプライドでもあり、場合によっては言い訳として機能する。私を規定している属性は他にもたくさんあるが、ここ数年私に強く意識される属性は、ほかでもない「他学部卒」という属性であ…

審級の利益

上訴制度というものは、原審の不当・違法による当事者の不利益を救う制度だとされる。だが、一審も控訴審も上告審も、同じように誤りうるのではないだろうか。一審よりも控訴審・上告審のほうがより正しいという保証はどこにあるのだろうか。 控訴審だって事…

就職

ある文章を読んだら、試験に受かっても成績や学歴や年齢が不利だったらどうせたいした事務所には就職できない、と書いてあった。私は成績も悪ければ学歴も特に良くなく、年齢もいってるから絶望的だ。なんか希望を失ったような感じがした。勉強も意欲が薄れ…

4分の1

もう三ヶ月が過ぎてしまった。なんか早かった。このままではあっという間に半年が過ぎ、あっという間に試験になってしまいそうだ。結構勉強した気がするが、その割にはそんなに進んでいない。あと2・3ヶ月で、基本書読みと択一解きは終わらせないといけな…

法律学と自然科学

自然科学は、理想的な状態を作り出し、厳密な手続に従って実験をすることでデータを集める。集まったデータという事実をもとに、その背後にある法則を導き出す。 この一連の流れが、法システムにおける訴訟手続に似ていないだろうか。法廷という理想化された…

法の内面化

長尾龍一『法哲学入門』によると、ラートブルフやカントは法の「外面性説」をとったらしい。つまり、道徳は個人の内面を拘束し、法は外面を拘束する、という説である。法は外面しか拘束しないのだから、人間は内面において必ずしも順法精神を持っている必要…

回り道

私と同い年で、大学時代同じ専攻だった人が、研究者としてそれなりに成功していることを知った。去年共著で脳神経倫理学の本を出したみたいだ。どこかの大学で講義もしているようだ。そのような成功例を見てしまうと、果たして自分のとった進路は正解だった…

「ひかりごけ」問題再論

以前、id:analysis_nz:20090520において、「被害者でも加害者でもない裁判官がなぜ加害者を裁けるのか」という問題を提起したが、これがなぜ問題になるのかが少し分かってきた。 この問題に対しては、「加害者は被害者に不利益を与えた以上、公平の観点から…

刑事責任の根拠

高山佳奈子は『故意と違法性の意識』において、刑事責任の根拠を実質的行為責任論に求めている。特別予防の必要性が責任を根拠付け限定するとする。犯罪者は犯罪行為を通じて自己を侵害的なものとして示した以上、その者を再社会化するために責任が生じ刑罰…

屈折

そう言えば、この間大学院時代の友人と会っていろいろしゃべったとき、「analysis_nzさんって屈折してるのかと思ったらすごい純粋なんですね」と言われた。私は二重に嬉しかった。屈折していると言われることも嬉しかったし、純粋だと言われることも嬉しかっ…

傷害に関する罪?

刑法は256条で盗品等に関する罪を処罰しているが、同じように「傷害に関する罪」は処罰できないだろうか。本犯の既遂までに関与すれば傷害の共犯または共同正犯だが、本犯の既遂後に傷害罪に関与して何らかの法益侵害を惹起できないだろうか。 例えば、本…

中身

やっぱり人間は中身だよなあ。T大卒とか、そういう肩書きを持っていても、実質が伴っていない人を私は多く見てきた。(私もそうかもしれないが。)どれだけ頭が働くか、どれだけ知識が質量ともに備わっているか、どれだけ創造性があるか、どれだけ良い論文が…

進捗状況

会社法100問読了。着実に前へ進んでいる実感がある。伊藤眞の民訴ももうじき読み終わるし、民訴の択一ももうじき終わる。勉強会のために重点講義もだいぶ読んだ。重点講義って思ったよりも教科書的でちょっとがっかりだ。まあ民事訴訟法の全分野をたかだ…

過度の義務履行

義務を履行するのに、履行しすぎることはないようにも思える。例えばある彫刻家が彫刻を作る請負債務を負っている場合、どれだけ上手に作っても上手に作りすぎることはないと思われる。だが、それは、問題になっている義務の履行が二当事者間の閉ざされた空…