社会科学読書ブログ

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2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

団体

団体ってなんだろうと考えているのだがうまくまとまらない。結局、「目的を実現するために人や物が集まること」だとは思う。そして、目的の実現のために、人はその行動や財産の利用について様々な制約を受けていく。目的実現のための個人の権能の制約が進む…

形式と実質

法律学のコンテクストでは、よく形式論と実質論が峻別されている。だがこの形式と実質の違いとは一体どんなものなのか。 たとえば、特定の論点に対する学説について、「形式的根拠―実質的根拠」という対立がある。また、証拠力について、「形式的証拠力―実質…

牽連性

双務契約について、成立上の牽連性、履行上の牽連性、存続上の牽連性があるとされる。これは、等しい経済的能力を持つ者たちが、等しい負担をする場合には、等しく扱いましょう、という考えだと思われる。つまり、同じ人たちは同じく扱おうという法の適用の…

勉強会

今日は仙台で勉強会でした。9時半から15時まで、昼食をはさんでハードにこなしました。勉強会をやっていると、だいたい4パターンくらいの状況が出てきます。(1)自分も相手も分かっている (2)自分は分かっているが相手は分かっていない (3)自分…

規則功利主義

功利主義とは、最大多数の最大幸福こそが善だとする立場である。だが、最大多数の最大幸福を、一人一人の行為ごとに、それぞれの文脈において判断するのは難しい。一人一人の人間が行動を起こそうとするときに、善悪を判断する基準はもっと明確に定まってい…

受動的

基本的にやる気がないのですが、基本書などを仕方なく読んでいると、そうだったのか、とか、これはこういう風に考えられるんじゃないかな、とか、基本書を読むことがきっかけで刺激をもらって、なんとなくやる気が出てきます。はじめから能動的に「勉強しよ…

充実

今日は充実した日だった。何もせず、何も考えなかったからだ。この倒錯した充実感は、本当に休みを必要としているときに得られるものである。休んでいることが生産であり充実であるという、最も幸福な無為だ。今、少し考えながら文章を書いているので、この…

法律自体については、選挙を通して国民の意思が反映されてると言えるので正統性があると言える。だが、法律の解釈と適用については、司法の作用だから、国民の意思に基づいているとは言えず、正統性がないのではないか。裁判員制度はこの正統性を充填するも…

過去

そう言えば、僕がどれだけ法律ができなかったか書いてなかった気がするので書いておきます。 まず、国家一種の法律職に受かっていますが、これは法律がよく分かってなくても受かってしまう試験なのであまり参考にはなりません。 次にlaw school。僕は地方・…

不可能

おお、なんかやっぱり不調だ。10月に入ったら回復すればいいのだが。スローペースで勉強をしている。自分が何かをできないというとき、それが他人の損害になることがある。債務不履行で損害が生じるときなどが典型的だ。私の場合、勉強会が遅れてしまい、…

善悪の決め方

ある行為が善か悪か決める場合、その行為がどの観点からみても善であれば問題がないが、ある意味善だがある意味悪だ、という場合に、行為自体が善か悪か決めるのは難しい。その場合どのようにして行為の善悪を決めるか。(1)善悪を計量化するやり方。たと…

存在の追認

民法113条1項は、無権代理人の法律行為を原則無効とし、本人の追認があった場合には効力を発生させる。法律行為はそれだけで無条件に法律効果を発生させるわけでなく、無効事由がある場合には、利害関係人はその効果の発生を阻止できる。 だが事実行為は…

選挙の公正

「不平等は悪だ」と言われるが、世の中には許される不平等がある。たとえば、頭脳明晰な人間が大学教授になるのは、頭の良さによって人間を差別しているのだから不平等である。だが、その不平等が許されるのは、「適材適所」が社会全体の効用を増すという信…

妙な確信

自分は試験に受からないのじゃないか、という妙な確信が出てきた。不思議な諦めがそれに伴っている。まあそれはともかくとして、受からなかった時のことは考えておかなければならない。まず司法書士の試験には受からなければなるまい。それで食っていくか、…

予約

予約の存在意義とはなんだろう。契約の内容が定まっているのなら、条件付法律行為、期限付法律行為をすればよい。「一ヵ月後にバイクを売りますからそのとき10万円を払ってください」という期限付契約は、現在において成立し、一ヵ月後に効力を生じる。 予…

自分についての決定と他人についての決定

自分のことは自分で決める、それが憲法の保障する自己決定権や自由権である。この原則が集団において発現するとき、それは純粋な民主制であろう。つまり、自分たちのことは自分たちで決める、という原則である。 ところが、自分一人でいる分には自己決定は自…

twitter

http://twitter.com/nnzz 簡単な印象とかアイディアとかそういうもののうち、ブログ記事ほどにはまとまらないものを書いていこうと思います。

賄賂の罪と契約

公序良俗違反の契約は無効であるが、そのような契約のうち、公務員の職務の公正とそれに対する信頼を害するような契約を処罰するのが賄賂の罪である。この契約は、公務員が賄賂と引き換えに不正な職務を行うという請負契約のようなものであろう。賄賂の罪で…

3分の1

もう4か月が過ぎた。刑法各論と債権総論が終わった。これから債権各論と憲法の統治をやる。それで一ヶ月はつぶれるだろう。次の一ヶ月で、刑訴と行政法だ。 しかし大学院が終わってから基本書を読んでるのっておかしいよなあ。普通だったら、基本書を読む→…

法の守備範囲

法的思考には限界があるが、その限界を確定しなければならないはず。それこそが批判Kritikの役割だ。たとえば、私がいま赤いものを見ているとしよう。この「赤さ」は、「赤さを感じる権利」と同じではない。なぜならば、「赤さを感じる権利」は少しも赤くな…

学問幻想

私がこのブログで書いていることは、試験で問われる重要論点ではない。だが、応用的な記事を書く場合、私は基本書をいちいち紐解いて基本的な知識の確認を行っている。条文も確認する。つまり、私が論じていることは、基本的な知識を前提とし、その基本的な…

危害原則の反映

危害原則とは、他人に迷惑をかけなければ何をやっても自由だ、という原則である。この原則が法律の規定の中に様々な形をとって現われる。(1)事実行為として他人の利益を侵害すれば、サンクションが与えられる。(2)法律行為・訴訟行為として他人の利益…

保護法益の侵害

犯罪は基本的に物理的世界で行われる。故意等の主観的要素は物理的ではなく観念的かもしれないが、何らかの外形的・物理的な事実のないところでは、基本的に犯罪は成立しない。不作為犯は確かに外形的な「行為」を必要としないが、作為義務者が不作為である…

稀少

受験状況の内訳を見ていたら、我々の大学院で、現役既修で受けなかったのは2・3人のようだ。その中に私もいるわけで、だいぶ稀少な立場のようだ。そっかー、みんな受けたんだ。私は、自分が法律が分かっていないということがいやというほどわかっていたの…

襟を正す

今年は我々の大学院は惨敗したわけで、試験の厳しさを知った。襟を正して勉強に励もう。落ち込んでる暇などない。調子が悪いなどと言っていられない。ひとつひとつ、着実に理解を積み重ねていって、それなりに技術も学び、来年自分がいい結果を出せるように…

仙台

今日は仙台に行ってきました。最近気分が落ち込んでいたので、とてもいい気晴らしになりました。 午前中は美術館に行き、大学院時代の友人といろいろしゃべりました。友人と僕とでは、根本的な価値観と、受験に対する態度が異なり、それが面白かったです。僕…

頻繁に更新しているのが滑稽だ(苦笑)。今日は数年ぶりで酒やタバコが欲しくなった。午前中は勉強できたが午後は何もできず、ただ鬱々としていた。ここで誘惑に負けると依存症になっちゃうんだね。何もかもがばからしく思える。いかんなあ、本性が出てきて…

うう、twitterってやっぱりなじめない。時代の波に乗るのが苦手。文字通りの「日記」というのがそもそも苦手だ。書くんだったらなんかまとまったことを書こうと思ってしまうので、短文のスタイルが苦手なんだろう。あと、自分は余りプライバシーを表に出した…

バイオリズム

何度も書いて申し訳ないが、最近元気がない。思ってみれば、今の時期というのは、大学だったら、ちょうど夏休みの後半にさしかかった時期だ。そういえば毎年この時期に元気がなくなる。去年もおととしもそうだった。この不思議なバイオリズムに抗する術はな…

主観的共同関係

連帯債務における主観的共同関係というものがいまいちよくわからない。結局、「みんなで一緒に払おうよ」という心理的な共同関係なのだろうが、それを法的・論理的にうまく説明できない。200万の債務をA・Bが同じ負担分で連帯して負っているとき、Aが80…