社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

加藤雅彦『ドナウ河紀行』(岩波新書)

ドナウ河紀行―東欧・中欧の歴史と文化 (岩波新書) 作者: 加藤雅彦 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1991/10/21 メディア: 新書 購入: 2人 クリック: 14回 この商品を含むブログ (7件) を見る ドナウ河流域の、東欧・中欧の歴史・風土について簡略に書かれ…

法制度と国民の意識の乖離

いくら法制度が変わっても、国民の意識が法制度通りに簡単に変わらないことはよくある。例えば、日本国憲法施行後も、とくに農村では旧来の家父長制イデオロギーは温存されたし、戦後の新しい民法が施行されても、対等で主体的な個人などというものは生活レ…

加藤雅彦『ライン河』(岩波新書)

ライン河―ヨーロッパ史の動脈 (岩波新書) 作者: 加藤雅彦 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1999/10/20 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (1件) を見る ライン河を巡る独仏史。ライン河をめぐる絶え間ない紛争から、戦後のラ…

加藤節『南原繁』(岩波新書)

南原繁―近代日本と知識人 (岩波新書) 作者: 加藤節 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1997/07/22 メディア: 新書 購入: 3人 クリック: 11回 この商品を含むブログ (18件) を見る 南原の生涯の細かい点については読んでもらうことにして、彼の学問の要点を…

焦点化された歴史

編年体の通史には中心人物や中心事件が存在しない。人物や事件は相対化され、それぞれだいたい等しい重みでもって記述される。また、編年体の通史においては、出来事の解釈が平準化され、テーマというものが漠然としている。そこでは神の視点からの歴史記述…