社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2020-01-01から1年間の記事一覧

前野隆司『感動のメカニズム』(講談社現代新書)

感動のメカニズム 心を動かすWork&Lifeのつくり方 (講談社現代新書) 作者:前野 隆司 発売日: 2019/09/18 メディア: 新書 感動の構造を分析し、それを商品などの開発に生かそうとしている本。人々の幸福は感動と密接に結びついている。「モノ消費」から「コト…

小室・天野『男性の育休』(PHP新書)

男性の育休 家族・企業・経済はこう変わる (PHP新書) 作者:小室 淑恵,天野 妙 発売日: 2020/09/16 メディア: Kindle版 男性の育休のメリットについて書かれた本。男性が育休を取得する、つまり男性の家事・育児時間が増加すると、女性の産後うつへの対策にも…

仕事でのリフレッシュ

人間の集中力は60分から90分しかもたないと言われている。それ以上仕事を続けても効率が悪く無駄に疲れるだけだということだ。だから、60分毎くらいにリフレッシュをする必要がある。私は事務職に就いているが、事務職はとにかく座りっぱなしでパソコ…

協力について

個人の能力と経験には限界がある。例えば私は料理が苦手であるし、そもそも男だから子供が産めない。それに対して、例えば配偶者は料理が得意で、女だから子供が産める。私と配偶者が家庭を作ることにより、料理はスムーズに作られ、子供が産めるようになる…

吉田徹『アフター・リベラル』(講談社現代新書)

アフター・リベラル 怒りと憎悪の政治 (講談社現代新書) 作者:吉田徹 発売日: 2020/09/16 メディア: Kindle版 現代世界においてはリベラル・デモクラシーが後退している。リベラル・デモクラシーは70年代をピークとする分厚い中間層に支えられていたが、9…

城繁幸『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか?~年功序列が奪う日本の未来~ (光文社新書) 作者:城 繁幸 発売日: 2013/12/20 メディア: Kindle版 いい大学に行っていい会社に就職すれば、年功序列のレールに乗って自動的にやりがいのある仕事にたどり着ける。その年功序列シ…

中原・金井『リフレクティブ・マネジャー』(光文社新書)

リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する (光文社新書) 作者:中原 淳,金井 壽宏 発売日: 2009/10/16 メディア: 新書 マネジャーの学びと成長について書かれた本。これは何も中間管理職だけでなく、ヒラの社員にでも十分通用する話である。人は内省…

ウォーキングについて

私は40歳にもなり、健康診断でも脂肪肝の診断を受けるようになったため、土日はたいてい筋トレとウォーキングに励んでいる。もちろんきっかけは生活習慣病を予防するためだが、ウォーキングは始めてみるといろいろとメリットがあることが分かった。 私は毎…

蔭山宏『カール・シュミット』(中公新書)

カール・シュミット-ナチスと例外状況の政治学 (中公新書) 作者:蔭山 宏 発売日: 2020/06/22 メディア: 新書 ドイツの政治学者でナチに加担したカール・シュミットの入門書。カール・シュミットは「例外」に基礎をおいて理論を展開している。「例外」とは極…

與那覇潤『知性は死なない』(文藝春秋)

知性は死なない 平成の鬱をこえて (文春e-book) 作者:與那覇 潤 発売日: 2018/04/06 メディア: Kindle版 地方大学の准教授として勤務していたが、うつ病で退職を余儀なくされた元歴史学者の当事者研究、文明批評。うつ病にり患した当事者として、世間で持た…

浜屋・中原『育児は仕事の役に立つ』(光文社新書)

育児は仕事の役に立つ 「ワンオペ育児」から「チーム育児」へ (光文社新書) 作者:浜屋 祐子,中原 淳 発売日: 2017/03/16 メディア: 新書 タイトル通り、育児は仕事の役に立つということを実証的に示す本。旧来、仕事と家庭は対立するものと考えられてきた(…

宇田川元一『他者と働く』(NewsPicks)

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング) 作者:宇田川元一 発売日: 2019/10/02 メディア: Kindle版 職場で起きる「わかりあえなさ」から生じる業務上の支障などをどう解決するかをナラティブ・アプローチから説いている本…

斎藤・與那覇『心を病んだらいけないの?』(新潮新書)

心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書) 作者:斎藤環,與那覇潤 発売日: 2020/05/27 メディア: Kindle版 精神科医の斎藤環と元歴史学者の與那覇潤による対談形式の現代文明批評。我々が生きている現代日本というものがどういう空気に包ま…

ナオミ・ザック『災害の倫理』(勁草書房)

災害の倫理: 災害時の自助・共助・公助を考える 作者:ザック,ナオミ 発売日: 2020/05/01 メディア: 単行本 災害についての応用倫理学を展開している本。災害については備えもまた倫理的に重要であり、災害計画における最善の原理は「最善の備えをして助けら…

鶴岡路人『EU離脱』(ちくま新書)

EU離脱 (ちくま新書) 作者:鶴岡 路人 発売日: 2020/02/06 メディア: 新書 イギリスのEU離脱の経緯とそれが周囲に与える影響について論述している。ヨーロッパにおいてEUはリベラルの立場に立つものである。イギリスがEUに加盟することはイギリスがリベラル陣…

大谷基道『東京事務所の政治学』(勁草書房)

東京事務所の政治学: 都道府県からみた中央地方関係 作者:基道, 大谷 発売日: 2019/10/29 メディア: 単行本 すべての都道府県が東京に「東京事務所」を置いている。その実態に迫った本。 東京事務所の活動は、①中央省庁からの指示・伝達事項を都道府県に伝え…

川端康雄『ジョージ・オーウェル』(岩波新書)

ジョージ・オーウェル――「人間らしさ」への讃歌 (岩波新書) 作者:川端 康雄 発売日: 2020/07/18 メディア: 新書 『動物農場』や『一九八四年』で、個人の自由の制限や監視社会化に警鐘を鳴らすようなディストピア小説を書いたジョージ・オーウェルの生涯と作…

神里達博『リスクの正体』(岩波新書)

リスクの正体――不安の時代を生き抜くために (岩波新書) 作者:神里 達博 発売日: 2020/06/20 メディア: 新書 本書は科学史家である著者がリスク社会をめぐって書いた朝日新聞連載をまとめたものであり、一つのテーマについて新書で4ページ分となっている。感…

藤田久一『戦争犯罪とは何か』(岩波新書)

戦争犯罪とは何か (岩波新書) 作者:藤田 久一 発売日: 1995/03/20 メディア: 新書 戦争犯罪に関する国際法の入門書。第一次大戦前の国際社会では国家の行う国際戦争は一般に合法とされ、これを無差別戦争観と呼ぶ。無差別戦争観の下では、戦争犯罪は捕虜の虐…

幸せに生活するために

幸せに活き活きと生活するためには、ワークライフバランスが不可欠です。仕事でぐったりとしてあと何もやる気が起きないようでは人生楽しくありませんよね。家庭生活や趣味の活動、要するにプライベートな領域を充実させるのが幸せの鍵であり、幸せな労働者…

ハーバード・ビジネス・レビュー『レジリエンス』(ダイヤモンド社)

レジリエンス (ハーバード・ビジネス・レビュー EIシリーズ) 作者:ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 発売日: 2019/11/07 メディア: 単行本(ソフトカバー) 自分を守り、立て直す能力である「レジリエンス」。本書は、様々な観点からレジリエンスを強化…

デヴィッド・グレーバー『民主主義の非西洋起源について』(以文社)

民主主義の非西洋起源について:「あいだ」の空間の民主主義 作者:デヴィッド・グレーバー 発売日: 2020/04/22 メディア: 単行本 民主主義は西洋に起源を持つ、というのが定説のように唱えられてきた。特に古代ギリシアのアテネに由来するというのが大方の見…

前野隆司他『幸福学×経済学』(内外出版社)

幸福学×経営学 次世代日本型組織が世界を変える 作者:前野隆司,小森谷浩志,天外伺朗 発売日: 2018/05/23 メディア: 単行本 会社の経営で一番大事なことは、利益を確保することよりも社員の幸福である。社員が幸福であれば自然と利益も確保される。そういう理…

帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ』(朝日選書)

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書) 作者:帚木 蓬生 発売日: 2017/11/07 メディア: Kindle版 ネガティブ・ケイパビリティとは「答えの出ない事態に耐える力」のことであり、19世紀イギリスの詩人キーツにまでさかのぼり、…

『やっかいな人のマネジメント』(ダイヤモンド社)

ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ] やっかいな人のマネジメント (ハーバード・ビジネス・レビュー―EIシリーズ) 発売日: 2020/02/06 メディア: 単行本(ソフトカバー) 本書は『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌に掲載された論文の中から厳選さ…

詫摩佳代『人類と病』(中公新書)

人類と病 国際政治から見る感染症と健康格差 (中公新書) 作者:詫摩佳代 発売日: 2020/05/15 メディア: Kindle版 国際的な保健協力の観点から人類と病との関わりを読みといたもの。病に対する国際協力体制を「国際保健」「グローバルヘルス」という。国際保健…

ハ・ワン『あやうく一生懸命生きるところだった』(ダイヤモンド社)

あやうく一生懸命生きるところだった 作者:ハ・ワン 発売日: 2020/01/16 メディア: 単行本(ソフトカバー) 自由と健康は誰しもが大事にしたいと思っている基本的な価値だと思う。人は自由に行動したいし、健康に生きていきたい。できるだけ縛られたくないし…

ウンベルト・エーコ『永遠のファシズム』(岩波現代文庫)

永遠のファシズム (岩波現代文庫) 作者:ウンベルト・エーコ 発売日: 2018/08/18 メディア: 文庫 作家であるウンベルト・エーコの政治に関する論考を収めた本である。戦争について、その情報技術社会における位置づけや知識人の責任、ネットワーク的生起など…

渡辺靖『白人ナショナリズム』(中公新書)

白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」 (中公新書) 作者:渡辺靖 発売日: 2020/05/29 メディア: Kindle版 黒人への暴力行為などで最近注目を浴びている白人ナショナリズム。本書はその実態について概観できる優れた本である。白人ナショナリズ…

長谷川宏『幸福とは何か』(中公新書)

幸福とは何か - ソクラテスからアラン、ラッセルまで (中公新書) 作者:長谷川 宏 発売日: 2018/06/20 メディア: 新書 長谷川は本書で幸福を、「穏やかで静かで身近なしあわせ」ととらえたうえで、様々な哲学者の幸福論を自らの幸福観と照らし合わせている。…