社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

木下武男『労働組合とは何か』(岩波新書)

労働組合とは何か (岩波新書 新赤版 1872) 作者:木下 武男 岩波書店 Amazon 労働組合の歴史と労働組合への分析について手堅くまとめた良書。労働組合発祥の地ヨーロッパでは、中世的な親方制の労働組合から産業別労働組合と変遷し、労働組合は企業に対抗する…

東野純彦『知っておくべき産後の妻のこと』(幻冬舎)

知っておくべき産後の妻のこと 作者:東野 純彦 幻冬舎 Amazon 妻が出産したため手に取った。産後の妻のうち約7割が夫を愛していないという調査結果が出ている。このように産後の夫婦仲が急激に悪化することを「産後クライシス」という。出産により女性はエ…

橋本卓典『未来の金融』(講談社現代新書)

捨てられる銀行3 未来の金融 「計測できない世界」を読む (講談社現代新書) 作者:橋本 卓典 講談社 Amazon 著者はこの「捨てられる銀行」シリーズの第一巻で、金融庁が地銀に対して、形式的な尺度で融資を決めるのではなくその企業の将来性や地域密着性など…

北野弘久『納税者の権利』(岩波新書)

納税者の権利 (岩波新書) 作者:北野 弘久 岩波書店 Amazon 1981年刊行であるが今でもなお訴求力のある税制改善論。 北野はまず、納税者の権利として、財産に不当な負担を課されず課税には民主的コントロールを及ぼすという租税民主主義ではたりず、税金…

職場の構造

属人的思考から構造的思考へ――問題の真の解決のためにはこのような思考様式の転換が必要です。理由としては、一つには人を変えるのは難しいけれど構造を変えるのは比較的容易であること、そして問題の原因をさかのぼるとその人自身の問題ではなく場の構造の…

運も実力のうち

「運も実力のうち」というと、予期せぬ幸運が降ってきて戸惑っている人に、周りの人が冗談半分にかける言葉、というイメージがある。だが、「運も実力のうち」というのは意味が形骸化したイディオムではなく、事実を指示している言葉のように思える。 「結婚…