社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

明るく出る、明るくかける

今の部署で勤務していて学んだことは多岐にわたるが、その中で最もシンプルかつ最も重要なことは電話の出方である。今の部署では客から電話がかかってくることが結構多い。それも、良い内容よりは悪い内容の方が多い。クレームもしばしばある。だから、電話…

育児のつらさの正体

わが子は生後8か月でもうすぐ9カ月になる。私もまた父親として育児に携わったが、育児はなかなかつらいものである。抱っこしたり世話をしたりという介護労働的なつらさは確かにある。だがそれは労働としてのつらさである。睡眠不足になったり時間が自由に取…

林望『習近平の中国』(岩波新書)

習近平の中国――百年の夢と現実 (岩波新書) 作者:林 望 岩波書店 Amazon 習近平を中心として展開される中国現代史。習の前の胡錦濤国家主席の代では、先代の江沢民が院政を敷くことで中国共産党内部の軋轢を生み出していたため、胡錦濤は習に代を譲るときに完…

離席のススメ

職場で仕事をしていても、人間の集中力などしょせん限界がある。ものの本によると人間の集中力は15分単位でしか持続しないらしい。深い集中力は15分が限度で、15分単位で集中ができるとのこと。これは私も仕事をしていて実感するところで、だいたい3…

中西嘉宏『ロヒンギャ危機』(中公新書)

ロヒンギャ危機―「民族浄化」の真相 (中公新書) 作者:中西嘉宏 中央公論新社 Amazon ミャンマーの少数民族であるロヒンギャに対するジェノサイド疑惑に関して丁寧に叙述している。ロヒンギャとはラカイン州に住む無国籍のムスリム少数民族である。植民地期に…

坂倉昇平『大人のいじめ』(講談社現代新書)

大人のいじめ (講談社現代新書) 作者:坂倉昇平 講談社 Amazon 本書は職場におけるいじめやハラスメントについて、豊富な具体例をもとにその背後にある構造を探っている。最近のいじめは、過酷な労働環境の下で起こることが多く、職場全体が加害者化し、企業…

樹村みのり『冬の蕾』(岩波現代文庫)

冬の蕾――ベアテ・シロタと女性の権利 (岩波現代文庫) 作者:樹村 みのり 岩波書店 Amazon 日本国憲法のもととなったGHQ草案に男女同権の条項を盛り込んだベアテ・シロタの簡単な伝記。子どものころ日本で暮らした時に感じた日本人女性の地位の低さへの違和感…

水田洋『「知の商人」たちのヨーロッパ近代史』(講談社学術文庫)

「知の商人」たちのヨーロッパ近代史 (講談社学術文庫) 作者:水田 洋 講談社 Amazon グーテンベルクによる活版印刷技術の発明は、知識や文学を大衆に流布する技術の発明であり、その際知識を本の形で売る出版業者、「知の商人」たちを大量に生み出した。本書…