社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

アンジェラ・ダックワース『やり抜く力』(ダイヤモンド社)

やり抜く力 作者:アンジェラ・ダックワース ダイヤモンド社 Amazon 努力の重要性を訴えている本。人生の成功は「やり抜く力」で決まる。知能や成績が良くても、やり抜く力がないと成果を上げることができない。才能×努力=スキル、スキル×努力=成果、である…

東畑開人『居るのはつらいよ』(医学書院)

居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書 (シリーズ ケアをひらく) 作者:東畑 開人 医学書院 Amazon デイケア施設のフィールドワーク。単なる就労記や体験記と異なるのは、著者が批評的視座を持つ理論的知性であり、現場で実際に働くことにより、そ…

私たちは疲れている

一定以上勉強している人なら、多くが「自律した個人」として生きようと思っているだろう。そして、「成熟した大人」として生きようと思っているだろう。だが、日々労働しながら生きていると、このよう自律や成熟に疲労を感じることがないだろうか。 何か職場…

将基面貴巳『愛国の起源』(ちくま新書)

愛国の起源: パトリオティズムはなぜ保守思想となったのか (ちくま新書, 1658) 作者:将基面 貴巳 筑摩書房 Amazon 日本語の「愛国」の語源となったパトリオティズムについて歴史的に解読している本。パトリオティズムには、自国への愛という狭義の愛国の側面…

諸富祥彦『「本当の大人」になるための心理学』(集英社新書)

「本当の大人」になるための心理学 心理療法家が説く心の成熟 (集英社新書) 作者:諸富祥彦 集英社 Amazon ヴィクトール・フランクルの研究者による人間の成熟論。成熟した人間は単独者として生きている。自立して、他者からの承認を得なくとも自らを自然に肯…