社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

渡辺将人『台湾のデモクラシー』(中公新書)

台湾のデモクラシー-メディア、選挙、アメリカ (中公新書 2803) 作者:渡辺 将人 中央公論新社 Amazon 台湾の現代史、政治体制等について書かれた本。台湾では2000年に国民党から民進党へ政権交代し、アジアにおける民主主義の雄となっている。アメリカと…

石岡丈昇『エスノグラフィ入門』(ちくま新書)

エスノグラフィ入門 (ちくま新書 1817) 作者:石岡 丈昇 筑摩書房 Amazon エスノグラフィについての入門書。エスノグラフィはフィールド科学であり、①不可量のものに注目し記述する。②生活を書くことに重点を置く。生活を書くために調査者は③フィールドの…

末木新『「死にたい」と言われたら』(ちくまプリマー新書)

「死にたい」と言われたら ――自殺の心理学 (ちくまプリマー新書) 作者:末木新 筑摩書房 Amazon 自殺の心理学を平易に解説している。自殺の対人関係理論によると、自殺は3つのファクターの組み合わせにより生じる。それらは、①「自殺潜在能力」、つまり自殺…

河野真太郎『ぼっちのままで居場所を見つける』(ちくまプリマー新書)

ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ (ちくまプリマー新書) 作者:河野真太郎 筑摩書房 Amazon 孤独の望ましい在り方について論じている本。18世紀から20世紀にわたって、孤独は発見されていったが、孤独には否定的な「ロンリネス」と肯定的…

山下慎一『社会保障のどこが問題か』(ちくま新書)

社会保障のどこが問題か ――「勤労の義務」という呪縛 (ちくま新書) 作者:山下慎一 筑摩書房 Amazon 社会保障の新しい在り方について提言している本。憲法上の勤労の義務規定は法的義務ではなく道徳的規定であり、労働か自営業かという区別を前提としない、働…

渡邉雅子『論理的思考とは何か』(岩波新書)

論理的思考とは何か (岩波新書) 作者:渡邉 雅子 岩波書店 Amazon 論理的思考の多様性について解説している本。我々が大学教育で習うようなアメリカ式の論文の構成は唯一正しい論理の在り方ではなかった。効率性と目的の達成に主眼を置くアメリカ的エッセイだ…

山田圭一『フェイクニュースを哲学する』(岩波新書)

フェイクニュースを哲学する 何を信じるべきか (岩波新書) 作者:山田 圭一 岩波書店 Amazon 情報の真偽性についての現代的議論を展開している。他人の証言、うわさ、専門家、マスメディア、陰謀論など、我々の知識の生成・伝達・社会がどのように行われ、そ…