とある席で、私の友人を揶揄するような話題で盛り上がった。その場にいた人は、私がその友人と結構仲がよいことを恐らく知らなかったのだろう。私は、「お前らにあいつの何が分かるんだ」と言いたかったがもちろん言えるわけもなかった。少なくとも、「いやあ、あいつすごいいい奴なんですよ」と言おうと思って機会をうかがっていたのだが、結局言う機会を逃してしまった。私はその友人を裏切ってしまったような意識に駆られた。
私はいつも、とてつもなくさめていて、そしてとても深刻だ。宴会にはもっとも不向きなタイプなのだろう。だから、「ブラックジャック」なんか読むと、ブラックジャックにとても感情移入できる。ブラックジャックは終生の友だと思っている。