社会科学読書ブログ

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研究室訪問

 今日は大学院で論文を指導して下さった先生のところに遊びに行ってきました。以下、今日学んだこと。
・刑法の在り方は、論理必然的に導かれるものではなく、社会的・歴史的な様々な要因によって偶然的に形成されている。その偶然性を指摘することで、現在の刑法の在り方の必然性に疑問符を突き付けることができる。現在の刑法をそのように批判することで、刑法をより合理的なものにする土台が出来上がる。先生は今その批判をやっていて、現在の刑法に対する代替物を創造するところまではやっていない。
・文系の学問の一つの目的は、後世に資料を残すことにある。自分が死んでも自分の研究は残る。自分の研究が後続する人たちの参考になることが、研究の一つの目的である。根本的な生き方として、自分のために生きるのではなく、他人のために生きるということ。
・現代は行為無価値的である。例えば誰も立小便をしない。労働運動や学生運動が盛んなころは、むしろ結果無価値的であった。自由主義は、他人に害悪を加えない限り何をしてもよいという原則だが、その「何をしてもよい」という部分が強調されることにより、行為無価値的な道徳的締め付けが弱まり、結果無価値的な機運が高まった。自由主義と結果無価値が親和的な時代があった。
 だいぶ元気をいただいてきました。大変貴重な時間でした。