時代を席巻するポピュリズムとはいったいどういうものかについて詳説した本。
ポピュリストは自分たちのみが正当な代表だと主張する。また、ポピュリストは反エリート主義者であり反多元主義者である。ポピュリストは国家を占拠し、腐敗政治を行い、批判的な市民社会を抑圧する。それゆえ、ポピュリストは民主主義の脅威である。
この本はポピュリズムについて知りたい人には格好の本だと思う。翻訳なので若干読みにくくはあるが、議論の詳細さと幅広さにおいて優れている。このような統治形態が学問的な概念ではなく現実に出現しているということがやはり問題なのである。民主主義について考えるにあたって極めて参考になる。