本書は公共政策の体系書ではない。だからこの本に総論はないし、いきなり各論を様々な執筆者に書かせている。だから、公共政策で何が問題になっているのかを具体的かつ直接的に知ることができる。
本書が扱っているのは、安全安心論、開発政治論、国土計画論、地方自治論、政治主導論、震災復興論、社会保障論、政策立案論、などであり、公共政策のトピックを幅広く覆っている。それぞれの各論については各論の総論といった具合で、偏りなく教科書的な記述が用いられている。
この本を読むと、いきなり公共政策の現場に連れていかれるのでなかなかスリリングだった。公共政策については体系書もだいぶ出ているし新書も出ているので、そちらの方も読んでいきたい。ゆくゆくは専門書も。こういう構成の教科書があることにひとまず驚いた。