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黒川伊保子『妻のトリセツ』(講談社+α新書)

 

妻のトリセツ (講談社+α新書)

妻のトリセツ (講談社+α新書)

 

  脳科学の知見から女性脳と男性脳の違いを説明、女性との接し方を実践的に解説する本。

 女性は類似する過去の記憶をまとめて引き出してくる。だから過去を蒸し返すこともある。逆に良い思い出もまとめて取り出してくるので、ポジティブトリガーを引くことが大事である。そのために、嫌な出来事(ネガティブトリガー)を作らない努力、楽しい出来事(ポジティブトリガー)を作る努力が必要だ。女性は共感を求めていて、否定するのはNGである。心を肯定するのが女性とのコミュニケーションであり、事実については肯定でも否定でもいい。心を否定するのがトラブルの種となる。

 本書は、男性と女性の脳の作りの違いから、夫婦間で起こりうるトラブルについて説明、また夫婦間で望ましいコミュニケーションの取り方についても説明している。妻の理不尽な怒りを受けないためには夫の日ごろの努力が大事であり、その努力の仕方について具体的に説明している。家族心理学の本として興味深い。