社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

子育て世代の憂鬱

 結婚すること、子を授かることは確かに大きな幸福である。だが、結婚により自由を失い、子どもを育てることでさらに自由を失うこともまた確かである。結婚や子育てはポジティブ・ネガティブ両方の意義があり、その両方を味わうことが人生を豊かにするのであろう。

 結婚して子供ができるとそこに核家族ができる。だが、現代日本において核家族で子育てをするのは大変なことだ。例えば私の家では、外でお金を稼いでくるのは私で、妻が専業主婦として育児などを担っている。子どもは一人であり、今二歳に近い。

 子育てはストレスがたまるため、妻一人に担わせるのは非常に酷である。だから、私は毎日定時に帰ってきては、夜、妻の代わりに子どもの相手をする。家事についても、ゴミについては基本的に私が担当だし、買い物はほぼすべて私がやっている。仕事で疲れた身でやれることには限界があるため、私ができる家事育児はその程度である。

 また、それでもやはり妻の負担は大きいため、妻の実家のお世話になっている。妻の両親は今無職であるため、育児を週の半分くらい、半日くらい手伝ってくれる。だがこれは義両親にけっこう負担をかけるものでもある。

 私は地方公務員であるため、給料は決して高くない。その高くない給料で家計をやりくりするのは大変である。妻にかかる費用や、特に子供にかかる費用がかなりあり、月々の家計はいつも自転車操業だ。しかも、妻は調子を崩しがちで、特に育児のストレスから精神的に落ち込みがちである。こっちの面でも大変である。

 私は妻たちと協力して、仕事に家事・育児、精一杯やっているが、それでも妻は不調になったりするし、家計は余裕がない。現代の日本で子育てするというのは、このように苦労しても報われない状況を生み出す。子育て世代は憂鬱なのである。

 だから、せめてでも金銭的な援助とか、そうでなくとも保育サービスの充実とか、休暇の充実とか、そういう政策を講じていただけると、私たち子育て世代は小躍りして喜ぶ。とにかく負担が大きい割には支援がなされていないのが現状である。何とかしてほしい。