古代から現代にいたるまでの人類の働き方を俯瞰し、どのような改革が行われてきたかを跡付けている。奴隷に労働を丸投げしていた古代から、産業化された近代、情報化が進む現代にいたるまで、人間の働き方がどのようになっていて、それがどのように改革されたかについて書いている。現代においては、高い意識をもって仕事に情熱を注ぎつつ、日々新たなスキルやアイディアを得るための勉強も欠かさず、家族や地域社会を重視しながら、趣味などのプライベートな活動も充実させる幸福な労働生活が目標とされている。
働き方改革は何も現代においてのみ行われてきたわけではない。工業化が進む中、労働者の権利が主張されることで労働時間の短縮や子どもや女性の保護などこれまでの歴史においても様々に行われてきた。そのうえで、現代における働き方がどうなっているか、そこにおいてどのような改革が目指されるか、そういうものを書いている。各地域、各時代における人々の労働の在り方について学べる好著である。