社会科学読書ブログ

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山口創『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)

 子どもを育てる上でのスキンシップの重要性を主張している。スキンシップは、脳の体性感覚の主観極と客観極を同時に覚醒させ、また運動システムも刺激しているため、脳を広範囲にわたって刺激している。皮膚の情報は単純な経路で脳に行き、認識や感情の中枢まで広く刺激する。触覚は脳が発達する上で非常に重要な意味を持つため、脳の様々な部位の成長が完了する3歳までに心地よい触刺激を与えることが重要である。

 スキンシップをたくさん受けて育った子供は、他人への信頼感に満ち、依存症に陥りにくいとのことである。また精神疾患に罹患する確率も低くなるため、乳幼児期に安定した愛情が注がれることがとても重要であるとのこと。育児をするうえでとても重要なことが書いてあるので、とても参考になった。育児に携わっている世のお母さんお父さんたちにも広く読んでほしい本である。