情報の真偽性についての現代的議論を展開している。他人の証言、うわさ、専門家、マスメディア、陰謀論など、我々の知識の生成・伝達・社会がどのように行われ、それがインターネットの出現でどう変わったかを哲学的に議論している。認識的な規範とは別に、真偽に無関心な態度や、自分の感情を正当化するという動機など、単純な認識論を超えたところで議論が展開されていている。
確かに、最近のインターネットなどの言論において、情報の真理性よりも、それがいかに自分にとって気持ちの良いものか、いかに自分を納得させてくれるものか、いかに自分の感情に沿うものかが重視されている傾向がみられる。古典的な認識論があまり扱わなかったこのような論点が現代においては重要になってきたことは感じている。そういったところにフォーカスを当てている点が新しいし面白い。