財政の根本的な原理について重厚に記述した本。経済を市場経済だけに任せておくと、資本化へ富が蓄積し労働者が搾取され、環境破壊が進行するなど、社会全体の観点からして問題となるような事態となる。そこで、民主主義の経済である財政が登場することで、資源配分機能、所得再分配機能、経済安定化機能が発揮されることで、社会全体の厚生が増す。そして、財政はあくまで地域に根差した民主主義に基づくものでなければならない。
財政とは何かということについて目から鱗が落ちるような感じがした。教科書的に財政を学んでいると見えてこない財政学の優れた知見が見えてくる好著である。我々一人一人が経済の在り方に関心を抱き、それを民主主義という形で財政に反映させていく。そのような意識が涵養される本だと思った。とにかく記述と論点は多岐にわたり、重厚で読みごたえがある本である。
