日常美学の先駆的な入門書。近代美学において、美は無関心性を有しており、ものの機能とは関係のないものだと論じられていた。だが、日常美学においては機能と美の関係が再検討され、もののネットワークにおける我々の感性の判断について考慮する。日常美学では美的範疇よりも感性的性質に注目し、きれいとか散らかっているという感性的性質も重視する。私たちの感性が世界を制作しているのが日常美学の舞台である。
本書は目からうろこであり、学ぶところの多い日常美学の入門書である。近代美学はある種の限界を迎えており、当然芸術制作も近代美学では説明しきれなくなってきた。そこで、美というものをもっと広い視野からとらえなおす感性の美学としての日常美学が考案された。この理論的射程は非常に大きいと考える。
