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レジー『東大生はなぜコンサルを目指すのか』(集英社新書)

 現代の若手エリートたちの成長への執着について分析している本。コンサルに若いうちに入社しておくと、ビジネスマンとしての基礎スキルが身に付きつぶしがきくようになる。そして自分のキャリア人生が高収入で安定したものとなる。だから東大生はコンサルを目指すのだとしている。だが、著者はそれだけが成長であるのか疑問を抱いている。成長という言葉が独り歩きをしていて、内容が空疎になっていることに警鐘を鳴らしている。

 ビジネスで役に立つことだけが成長ではない。人生というものは様々な局面を持ち、それぞれに応じて様々な成長が期されている。自分の収入の安定だけでなく、もっと本物の教養を深めるとか、倫理的な判断を高度にして真の意味で頭をよくするとか、他人とのかかわりにおいて心を通じ合わせるスキルを身につけるとか、成長というものはもっと多種多様であるはずなのだ。コンサルを目指す東大生はいったいどこまで見えているだろうか。