キリストの表象がいかに性的に混乱しているかについての評論。キリストは使徒ヨハネとの間に同性愛的関係があったと推測される。また、ユダとの間でも、後世の表象から読み取れるのは、単純な裏切りではなく同性愛的関係である。キリストは両性具有的に表象されることもあり、キリストが女性として表彰されることもある。聖母マリアとの関係も複雑であり、聖母マリアは母であり妻であり娘でもある。
聖書にあまり詳しくない私でも楽しく読めた。キリストの現代にいたるまでの表象を辿って、キリストがいかに混乱した存在であるかを跡付けていく手腕はとても優れており、岡田の本はもっと読みたくなった。とてもスリリングな評論であり、キリストという表象の謎に少し立ち入れた気がする。
