社会科学読書ブログ

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髙坂康雅『不登校のあの子に起きていること』(ちくまプリマー新書)

 不登校についての概説的な入門書。不登校の定義は「長期欠席者のうち、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者」で「年度内で30日以上欠席した児童生徒」。不登校になる生徒は、ストレスをたくさん抱え込んでいて、それが心身の不調に表れているケースも多い。親もまた社会的・情緒的・情報的に孤立してつらい状況に置かれる。通信制高校への進学など多様な学び方が考えられる。

 些細な嫌がらせも積み重ねれば児童の心をいっぱいにして、そのバケツがあふれかえり児童は不登校になる。児童はいじめなど様々なストレスに大量にさらされ、不登校になっている。このように、被害を受けている人間が社会的に不利益を被る事例というものは結構あり、それは社会的正義に反するため是正されるべきである。