植木枝盛の評伝。自由民権運動の時代に、主権を人民に与えるべきとすることなどを唱えて理論的に重要な役割を果たした。明六社、立志社、愛国者などを経て、また新聞投書や雑誌の編集などで意見を表明して、民権運動の発展に大きく寄与した。県議会議員から国政へと展開していき、政治家としても活躍した。その植木枝盛の自我の発展についても論じている本である。
植木枝盛の時代の熱気が伝わってくる良書である。また、彼の幼少期の精神形成などについても論じていて新しいと思う。この時代にはこの時代の先見の明のある人たちがいて、時代をどんどん変えていった。国民の手に主権を抱かせるために活躍した植木枝盛の活躍には敬意を表せざるを得ない。
