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鈴木公啓『子どものおしゃれにどう向き合う?』(ちくまプリマー新書)

 子どものおしゃれについて体系的に考察。おしゃれとは装いのひとつであり、外見を変化させる様々な人間の所作のひとつである。装いには身体装飾、身体変工、しぐさ、姿勢、歩容、ことばなど様々なものが含まれる。おしゃれは子どもの発達にとって重要な要素のひとつであり、それは子どもの自己表現であると同時に、自己及び社会とのかかわりあいの仕方のひとつである。ただ、おしゃれによるトラブルなどもあることから、親は子どもと適切なコミュニケーションを取っておくとよい。

 本書を手に取ったとき、面白いテーマの本だと思った。このような角度から装いを論じた本を他に知らない。実際、普段見慣れないような論点がいろいろ論じられており、大変興味深かった。装いの問題はあるにしても、それを子どもが行う際の特有の問題点についてきちんと丁寧に論じられており、大変参考になる。こういう見慣れない角度から世の中を論じる本は貴重である。