谷川俊太郎の詩についての入門書。谷川は「おもしろい」「好き」「ワクワク」という基本的な態度で言葉をつづっていった。現代詩は意味が分からないといわれることがあるが、意味が分からなくても面白ければよい、ワクワクすればよい、そう考えていた。谷川はオノマトペを重視し、音が先で意味は後である。谷川はことばを疑い、詩を疑い、また詩と和解し、詩との決別と和解を繰り返した。また、谷川ははるかな過去からはるかな未来へ、宇宙の外へとも視野を広げていた。
谷川俊太郎についてのとてもよくできた入門書である。著者は日本語学者であるため、そういった理論的見地に基づいて記述しているので、議論に説得力がある。やはり詩人についてはきちんとした学者が丁寧に理論づけしなければいけないと思う。詩人同士の印象論の応酬では生まれないものが言語学者などの視野から生まれていく。とても勉強になった。
