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田中大介『電車で怒られた!』(光文社新書)

 

 鉄道マナー史入門。電車の内部は社会の縮図である。電車での人々の振る舞いについて、古くは交通道徳として問題視され、それが社内エチケットと呼ばれ、今では交通マナーと呼ばれている。エチケットは席を譲るなど表現的な側面、マナーは迷惑をかけないといった抑制的な側面に光を当てている。電車内での振る舞いについては、最近は相互に監視の目が鋭くなっており、今となっては黙ってスマホを見つめているのが最も適切な振る舞いのようになっている。

 鉄道マナー史というのはとても斬新な視点であり、このような研究がなされていること自体驚きであったが、それなりの研究の蓄積があり、このような新書も出されていることがわかった。いろいろ考えさせられることが多く、歴史よりも理論的な側面についてもっと知りたいと思った。とにかく、この視点は面白い。鉄道マナーから見える哲学についての研究に期待したい。